公開日: 2026.05.25 / 最終更新日: 2026.10.21

Shopify BtoB開発会社の選び方と費用相場|7つの確認点

Shopify BtoB開発会社の選び方を7つの確認点で解説します。BtoB機能の実装実績、基幹システム連携の経験、見積書のスコープ明記などの見極め方と、規模別の費用相場(市場の目安)、契約形態ごとのリスクを発注側の視点でまとめました。

7項目のチェックリストを虫めがねで確かめ、机に並べた複数社の提案書と見比べている選定の情景イラスト

Shopify BtoB開発会社は、BtoB特有の機能を作った実績、日本の取引慣行と基幹システム連携への理解、見積書に作業範囲が書かれているかの3つの軸で選びます。確認項目に分けると、BtoB機能の実装実績・商習慣への理解・基幹システム連携の経験・Shopify Plusの要否の説明・要件定義の進め方・保守体制・見積書のスコープ明記の7つです。

費用は、テーマのカスタマイズ中心か、基幹システム連携を含むフルカスタムかで桁が変わります。規模別の市場の目安は後半の表に載せました。BtoB開発で費用が当初の見積もりを超える原因の多くは、技術力より要件定義とスコープ管理の甘さにあります。着手前に「やること・やらないこと」を数字で切り分けてくれる相手を選べば、上振れを抑えられます。

ShopifyのBtoBとBtoCは何が違うのか

BtoCのECサイトで作り込むのは、商品の見せ方と買いやすさです。BtoBでは、取引先ごとの価格や支払条件、基幹システムとのデータ連携まで開発の範囲に入ります。BtoCの実績しかない開発会社に頼むと、公開の直前に「この機能は対応していない」と分かることがあります。BtoBで追加になる主な機能は次のとおりです。

  • ログイン制限:審査済みの取引先に限って閲覧・注文できるクローズドサイト
  • 複数価格設定:顧客タグや取引先グループごとに卸値・掛け率を変える
  • 請求書払い・掛け払い:月末締め翌月払いなど日本のBtoB商習慣への対応
  • 最小注文数・ロット販売:ケース単位や最低発注数量の制御
  • 基幹システム連携:在庫管理・受発注・会計システムとのAPI連携
  • 見積もり機能:カートから即決済せず、見積もり依頼→承認→発注と進む流れ

Shopify BtoB開発会社を選ぶ7つのチェックポイント

① BtoB特有の機能実装実績があるか

「Shopify対応」の表示では判断できません。クローズドサイト・複数価格設定・請求書払いを実装した事例を、BtoC案件と分けて見せてもらいます。事例ごとに取引先数や価格パターンの数まで聞けると、自社と規模が近いかも分かります。

クローズドサイトの実装方法には、パスワード保護・アカウント必須設定・Shopify公式のB2B機能・アプリなど複数の型があり、費用も向く場面も異なります。型ごとの違いはShopifyクローズドサイトの作り方|BtoB会員制4つの方法で比べており、商談の前に読むと、相手の提案が自社に合うかを見極める材料になります。

② 日本のBtoB商習慣を理解しているか

「月末締め翌月末払い」「代理店ログイン」「納期指定・分割配送」といった日本の取引条件を、設計に落とし込めるかを見ます。こちらから説明しなくても、要件定義の段階でこれらの論点が提案に入っている会社は、BtoB案件を手がけた経験があると考えられます。

③ 基幹システム連携の経験があるか

多くのBtoB ECサイトでは、在庫管理システムやERP(販売・在庫・会計を統合する基幹システム)とShopifyをAPIでつなぎます。Shopify GraphQL Admin APIの実装経験に加えて、連携先と同じ製品を扱ったことがあるかを確認します。受注データを基幹へ取り込むタイミング(随時か日次の一括か)を質問し、具体的に答えられるかも判断材料になります。

④ Shopify Plusが必要かどうかを説明できるか

Shopify公式のB2B機能は、Basic・Grow・Advanced・Plusの各プランで使えます(Starter・Retailプランは対象外)。通常プランでは有効なB2Bカタログが全B2Bマーケット合計で3つまでで、取引先の会社ごとにカタログを割り当てる顧客別価格や、デポジット(前払い)・一部支払いの設定はPlusに限られます(Shopifyヘルプセンター、2026年10月時点)。取引先数と価格パターンを聞いたうえで、Plusが要るかどうかを理由まで説明できる会社は信頼できます。

Plusで使われていたスクリプトエディタ(Shopify Scripts)は2026年6月30日に廃止され、割引や決済の独自制御はShopify Functionsで作る形に変わりました。提案書がこの変更を反映しているかも確認します。

⑤ 要件定義フェーズを丁寧にやるか

BtoBサイトは要件が多く、要件定義が浅いと追加費用と手戻りが出ます。「ヒアリングシート」「要件定義書」「ワイヤーフレーム」を納品物として見積書に書いている会社を選びます。要件定義にかける期間と、そこで決める項目の一覧を示せるかもあわせて確認します。

⑥ 納品後の保守・運用体制があるか

BtoBサイトは公開後も「この取引先の価格を変えたい」といった改修依頼が続きます。月次保守契約に含まれる範囲(障害対応・軽微な改修・アプリ更新への対応)と、依頼してから対応するまでの日数の目安を確認します。

⑦ 見積書にスコープが明記されているか

「一式○○万円」としか書かれていない見積書は注意が必要です。BtoB案件では、開発の途中で「この機能も必要だった」と分かる場面が何度も出てきます。「やること」と「やらないこと」を両方書いた見積書を出す会社は、スコープクリープ(作業範囲が際限なく膨らむこと)を防ぐ意識があります。線引きが曖昧なまま契約すると、追加費用の話が出たときに双方の言い分が食い違います。

Shopify BtoB開発の規模感の目安(小規模・中規模・大規模それぞれの内容と期間)を示した図解

Shopify BtoB開発の費用相場と期間の目安(2026年版)

規模ごとの費用と期間の目安は次のとおりです。自社がどの帯に入るかは、取引先別の価格設定と基幹システム連携が要るかどうかで見当がつきます。

規模費用目安(市場の一般的な目安)主な対応範囲向いている事業者規模
小規模30万〜100万円程度既存テーマのカスタマイズ中心月商500万円以下でまずBtoB販売を試したい事業者
中規模100万〜300万円程度テーマ改修+アプリ連携による複数価格設定・掛け払いなどのBtoB機能月商5,000万円以下でブランド訴求も重視する事業者
大規模300万〜1,500万円程度Shopify Plus・基幹システム連携を含むフルカスタム開発月商5,000万円以上・基幹連携が必須の事業者
各社の公開情報をもとにした市場の目安。要件により上下するため、自社の金額感は個別の見積もりで確認してください。
  • 小規模(テーマカスタマイズ中心)の期間:3〜4週間
  • 中規模(テーマ改修+アプリ連携+基本的なBtoB機能)の期間:6〜8週間
  • 大規模(フルカスタム+基幹システム連携)の期間:3〜6ヶ月

同じ規模帯でも金額に幅が出るのは、掛け払いと基幹システム連携の有無によるところが大半です。開発中に「この取引先だけ特別な価格にしたい」「基幹システムとの連携が後から必要と分かった」といった要件が加わると、見積もりの条件が崩れて費用が上振れします。最初の見積もりでスコープが分かれているかどうかで、着地額の読みやすさが決まります。

掛け払いの実装パターンと費用感はShopify掛け払い(請求書払い)の導入方法とアプリ比較に、基幹システム連携の方式ごとの違いはShopifyと基幹システムを連携する方法と費用|3つの方式に詳しく書きました。相見積もりの前に必要な機能を洗い出すと、各社の見積もりを同じ条件で比べられます。

契約の形と支払い条件で、発注側のリスクが変わる

開発会社を比べるときは、金額と並べて契約の形も確認します。同じ見積額でも、要件が変わったときに誰が費用を負うかは契約形態によって異なります。

契約形態費用の決まり方発注側のリスク向いている状況
請負契約(一式・固定)作るものを決めて総額を固定要件変更のたびに追加見積もり。仕様が動く案件では追加費用が膨らむ要件が固まっており、変更の余地が小さい
準委任契約(月額・工数)作業時間に応じて支払う期間が延びるほど費用が増える。着地額が読みにくい要件が動く前提。並走しながら決めていきたい
段階契約(要件定義→構築を分ける)フェーズごとに契約と金額を確定要件定義の費用が別途かかる要件が固まっていない状態から始める場合。手戻りを抑えられる
BtoB EC開発でよく使われる契約形態の違い
  • 支払いのタイミング:着手金・中間金・検収後の比率を確認する。全額前払いは避け、検収後の支払いを一定割合残す
  • 検収の基準:何をもって完了とするかを文書にする。「テスト注文が◯件通り、基幹システムに取り込める」のように動作で書く(「画面が表示される」では基準にならない)
  • 納品物の一覧:ソースコード、要件定義書、設計書、テスト結果、運用手順書のどれを納品するかを決める。運用手順書がないと、担当者が替わるたびに開発会社へ問い合わせることになる
  • アカウント権限の帰属:Shopifyストアのオーナー権限は自社で持つ。開発会社が権限を握る契約では、乗り換えの自由がなくなる

相見積もりで聞く3つの質問

3社から相見積もりを取る場合は、金額の大小より、次の3問への答え方で力量を比べます。

  • 「複数価格・掛け払い・基幹連携のうち、実装した経験があるのはどれですか」→ BtoCの事例ばかり挙げて答えを濁す会社は、BtoB特有の業務設計の経験が薄い
  • 「Shopifyストアのオーナー権限はどちらが持ちますか」→ 「開発会社側で持ちます」と即答する会社は避ける。権限を自社で持てないと、乗り換えるときに交渉の余地がなくなる
  • 「やらないことは見積書のどこに書かれますか」→ スコープ外を明記できる会社は、作業範囲の膨張を管理できる。答えが曖昧な会社とは、追加費用の扱いでもめやすい

開発会社選びで失敗しやすい3つの判断

発注側が判断を誤りやすいのは、次の3つの場面です。

  • 価格の安さで選ぶ:基幹連携や掛け払いを軽く見積もった会社は、後工程で追加請求するか、機能を削って納品する。受発注は毎日使う基幹業務のため、作り直しになると費用も業務への影響も大きい
  • 「Shopify対応」と「BtoB対応」を同じものと見る:前者はテーマを編集できること、後者は取引条件や受発注の業務まで設計できること。事例がBtoCばかりの会社とは、要件定義の段階で話がかみ合わない
  • 1社の見積もりで即決する:3社から取ると、各社が何を標準に含め、何を別料金にするかの差が見える。その差を比べる作業が、自社の要件の抜け漏れの確認にもなる
ShopifyでBtoB(卸売)サイトを構築する完全手順を見る要件定義・顧客管理・価格設計・決済・テストまで、BtoBサイト構築の全工程を網羅したガイドです。

商談前に自社で用意する情報

7つのチェックポイントのうち、③(基幹連携)と⑤(要件定義)は、自社側の情報がそろっていないと提案の妥当性を評価できません。次の項目を1枚にまとめ、各社に同じ資料を渡すと、見積もりの精度が上がり、金額も同じ条件で比べられます。

  • 基幹システム:製品名・バージョン・外部連携の手段(APIの有無・CSV出力の可否)
  • 取引先:社数、価格パターン(掛け率)の数、代理店などの階層の有無
  • 支払条件:締め日・支払日・請求書払いを使う取引先の範囲
  • 受注の規模:月間の受注件数と、FAX・電話・メールなど現在の受注経路
  • 公開時期と予算の上限:社内で決まっている範囲

7つの確認点に加えて:Shopifyパートナーディレクトリを見る

初回商談の前に、Shopify公式のパートナーディレクトリで候補の会社を調べます。パートナーのランク(Select・Plus・Premier・Platinum)、提供サービス、所在地、レビューや制作事例を確認でき、商談で聞く質問を絞り込めます。

パートナー認定ランクの確認から同業種実績の確認、相見積もりの3質問、スコープ明記の見積書選びまでの4ステップを示した開発会社見極めフローの構造図

パートナーのランクは技術力を保証するものではありません。それでも、Shopifyでの実績がほとんどない会社を候補から外す目安にはなります。①の実装実績の確認と組み合わせれば、「Shopify対応」を掲げるにとどまる会社を早い段階で見分けられます。

上の「商談前に自社で用意する情報」が埋まらない項目は、awai Buildが基幹システムの連携手段や取引先の価格パターンを確かめながら書き出します。そのうえでPlusが要るかどうかとスコープの線引きを着手前に決め、構築後の保守運用・改修とデータ分析も同じ窓口で引き受けます。

自社ECの「作り方」も「伸ばし方」も、30分の無料相談で一緒に整理します作り方・予算のかけ方・マーケの知見・広告運用のうち、どれか一つが欠けていても、良い商品は売上につながりません。現状のEC・SNS・顧客データをうかがい、どこから伴走を始めるべきかをその場でご案内します。

よくある質問

Q. 発注後に要件が変わった場合、追加費用はどのくらいかかりますか?
A. 変更の範囲と契約形態(固定の一式か、時間工数か)によります。一式契約では要件変更のたびに追加見積もりになり、変更が画面の文言程度なら小さく済みますが、価格設計や基幹連携に及ぶと設計からやり直す分の費用が加わります。発注前に、要件変更が起きたときの手続き(変更依頼の出し方・再見積もり・承認者)を契約書に書き込みます。
Q. Shopify BtoBサイトは、基幹システム(ERP・販売管理)と連携できますか?
A. できます。ShopifyはAdmin APIとWebhookを公開しており、注文・顧客・在庫データを基幹システムと双方向でやり取りできます。会計ソフト(freee・弥生・マネーフォワードなど)とはCSVの取り込みや連携アプリで足りる場合が多く、SAPや独自開発のERPとは個別にAPI連携を作ります。連携の設計は、どのデータをどのシステムに集約するかを決めてから着手します。
Q. 発注後に開発会社との関係がうまくいかなくなったとき、どうすればいいですか?
A. 最初に契約書の納品物・スコープ・支払い条件を確認します。Shopifyのストアはサーバーを含めてShopify側で動いているため、オーナー権限を自社で持っていれば、開発会社が替わってもテーマのコードやデータの引き継ぎは比較的スムーズです。初回契約の時点でオーナー権限を自社で持つことは、外せない条件です。
Q. Shopifyパートナー認定ランクは、どこで確認できますか?
A. Shopify公式のパートナーディレクトリで会社名を入れると、ランク(Select・Plus・Premier・Platinum)、提供サービス、レビューや制作事例を確認できます。商談前に候補の会社をひと通り調べると、初回商談で聞く質問を絞り込め、BtoC事例しか出せない会社を早めに候補から外せます。
Q. 契約は請負と準委任のどちらがよいですか?
A. 要件が固まっているなら請負(一式・固定)、動く見込みなら準委任(工数)、要件が固まっていない状態から始めるなら、要件定義と構築を分ける段階契約が向きます。BtoB案件では開発中に「この取引先だけ条件を変えたい」という要望が出やすく、一式契約で始めると追加見積もりの交渉が繰り返されます。どの形を選ぶ場合も、検収の基準を「テスト注文が◯件通り、基幹に取り込める」といった動作で文書にすると、完了をめぐる認識のずれを防げます。
Q. 発注時に自社で持つべきものは何ですか?
A. Shopifyストアのオーナー権限、ドメインの管理権限、運用手順書の3つです。オーナー権限を開発会社が持つ契約では、乗り換えの自由を失い、後から条件面で不利になります。運用手順書がないと、担当者が交代するたびに開発会社へ問い合わせる状態が続きます。いずれも契約前に明記を依頼すれば、通常は問題なく応じてもらえます。

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