公開日: 2026.10.21 / 最終更新日: 2026.10.21

Shopify保守の解約と引き渡し|契約終了時に受け取るもの一覧

Shopifyの保守契約を解約するときの手順を、契約書の解約条項と予告期間の確認、通知、引き渡し期間、権限整理、最終確認の5段階で整理し、契約終了時に受け取るもの一覧と解約後30日の確認事項、円満に終えるための伝え方をまとめます。

引き渡し用に積まれた3つの段ボール箱の手前の箱に名札が貼られ、左側の担当者がその箱を差し出し、右側の担当者がチェック済みの一覧表を両手で持って受け取っており、奥に小さな店舗が見える情景イラスト

Shopifyの保守契約を終えると決めたとき、実際に困るのは「解約を伝えること」より「伝えた後に何を受け取り、どの順で権限を整理すれば、翌日からストアが止まらないか」です。テーマのコードはどこにあるのか、アプリの契約は誰の名義か、ドメインの設定は誰が触れるのか——引き渡しの抜けは、契約が終わった後に表面化します。この記事では、保守の解約を契約書の確認から最終確認までの5段階に分け、契約終了時に受け取るもの一覧と、解約後30日の確認事項、円満に終えるための伝え方を整理します。制作会社を変える全体の手順はShopify制作会社の変更手順|引き継ぎで受け取るもの一覧で扱っているため、本記事は「今の契約を終える側の手順」に絞ります。

解約を伝える前に確かめること|契約書の解約条項と予告期間

まず確かめたいのは、今の契約書に解約の条件がどう書かれているかです。保守契約は自動更新になっていることが多く、予告期間を過ぎると次の期間分の支払いが発生する契約もあります。解約を口にする前に、次の点を契約書で確認してください。

  • 解約の予告期間:「○か月前までに書面で通知」のような定め。期限の起算日が契約更新日なのか通知日なのかも確認する
  • 契約期間と自動更新:最低契約期間が残っていないか、更新のタイミングはいつか
  • 解約の方法:書面・メール・所定の様式など、通知の形式に指定があるか
  • 解約時の費用:残期間の支払い、引き渡し作業の費用、データ出力の費用が定められているか
  • 成果物の権利:テーマのカスタムコードや画像素材の著作権・利用権が自社にあるか、契約終了後も使えるか

契約書に解約条項や引き渡しの定めがない場合は、相手との話し合いで決めることになります。その場合でも、本記事の受け取るもの一覧を基に、引き渡し範囲を書面で合意してから通知するのが安全です。保守契約でこれらをあらかじめ決めておく項目はShopify保守契約の内容|範囲・対応時間・契約書で決める項目で整理しています。

解約から引き渡しまでの5段階|確認→通知→引き渡し期間→権限整理→最終確認

解約は「通知して終わり」ではなく、通知から契約終了日までの間に引き渡しと権限整理を終え、終了後にも確認期間を置く、という流れで進めます。全体は次の5段階です。

保守の解約から引き渡しまでの5段階を示した図。①契約書の確認=解約条項と予告期間を確かめ受け取るもの一覧を作る、②通知=終了日と一覧を一度に伝える、③引き渡し期間=終了日までに一覧の項目を受け取り受領の記録を残す、④権限整理=自社の権限を確保してから相手の権限を外す、⑤最終確認=終了日の前後と終了後30日の点検、の順に並べ、下に通知日・契約終了日・終了後30日の時間軸を添えている

①契約書の確認と引き渡し範囲の整理

前章の解約条項を確認したうえで、受け取るものの一覧(次章の表)を自社で作ります。通知より先に一覧を作るのは、通知の時点で「何をいつまでに引き渡してほしいか」を一緒に伝えられるようにするためです。一覧がないまま通知すると、引き渡しの範囲を相手の判断に委ねることになり、抜けが出やすくなります。

②通知|終了日と引き渡しの希望を一度に伝える

予告期間に間に合う日付で、契約書が指定する形式で通知します。伝えるのは、解約の意思、契約終了日、引き渡してほしいものの一覧、引き渡し期間の希望、連絡の窓口の5点です。理由を長く書く必要はなく、感謝と事務的な依頼を分けて書くと、受け取る側も動きやすくなります(文面の骨子は後述します)。

③引き渡し期間|契約終了日までに受け取る

通知から契約終了日までを引き渡し期間と位置づけ、一覧の項目を一つずつ受け取り、受領の記録を残します。引き渡し期間中は保守契約がまだ有効なので、受け取ったテーマが本当に本番と同じ版か、アプリの一覧に漏れがないかを、相手に確認できるうちに確かめておきます。

④権限整理|自社の権限を確保してから相手の権限を外す

引き渡しが終わったら、制作会社に渡していたコラボレーターアカウントやスタッフアカウント、外部サービスの共有アカウントを棚卸しし、不要になったものを削除します。ストアオーナーが制作会社側になっている場合は、契約終了日より前に自社へ移します。順番と項目は後の章で扱います。

⑤最終確認|終了日の前後でストアが動いているか

契約終了日の前日と当日に、注文・決済・メール通知・ドメインの表示を確認し、終了後30日間は定期的に点検します。終了後に見つかった不具合を誰が直すかは、通知の時点で合意しておきます。

契約終了時に受け取るもの一覧

受け取るものは、ストアの中にあるものと、ストアの外にあるものに分かれます。ストアの外にあるもの(ドメイン、外部サービス、画像素材、マニュアル)ほど見落としやすく、終了後に困ります。

受け取るもの内容確認のポイント
テーマのエクスポート本番テーマと、公開前の複製テーマのダウンロードファイル本記事執筆時点の公式ヘルプでは、Shopify管理画面のテーマ一覧からテーマファイルをダウンロードできる。本番と同じ版かを日付で確かめる
カスタムコードの説明テーマに加えた独自の改修箇所、追加したセクション・スニペットの一覧と目的どこを触ると何が変わるかが分かる粒度で。コードそのものより「説明」が後で効く
アプリ一覧と契約名義導入しているアプリ、用途、課金の名義(ストア課金か制作会社名義の外部契約か)制作会社名義で契約しているアプリやサービスがあれば、名義変更か再契約が必要
ドメインのDNSドメインの登録先、管理アカウント、DNSレコードの設定内容ドメインが制作会社名義なら、終了前に自社へ移管する。更新期限も確認する
外部サービスの認証情報決済代行、配送、メール配信、GA4・広告アカウントなどのログイン情報と権限制作会社の個人メールで登録されたアカウントは、自社のアドレスへ付け替える
画像素材・デザインデータ商品画像、バナー、ロゴ、デザインの元データ契約書で権利が自社にあるものを、再編集できる形式で受け取る
運用マニュアル・仕様書日常の更新手順、定期作業の一覧、テスト環境の使い方次の担当者が読んで作業できるかを基準に、不足は引き渡し期間中に書き足してもらう
保守契約の終了時に受け取るものチェックリスト

一覧は、引き渡し期間に入る前に相手と共有し、「受け取った・未着」を両者で見える状態にしておきます。受領した日付を残しておくと、終了後の行き違いを防げます。

権限の整理|コラボレーターアカウント・ストアオーナー・外部サービス

権限整理は、引き渡しが終わってから、契約終了日までの間に行います。順番は「自社の権限を確保する→相手の権限を外す」です。先に相手の権限を外してしまうと、残っていた引き渡し作業ができなくなります。

  • ストアオーナーの確認:Shopifyのストアオーナーは1アカウントで、制作会社側になっている場合は公式ヘルプの手順で自社へ移す。これが最優先
  • コラボレーターアカウントの削除:制作会社がコラボレーターアカウントでアクセスしている場合、ストア側のユーザー管理から削除できる。引き渡し完了後、契約終了日までに外す
  • スタッフアカウントの棚卸し:制作会社の担当者にスタッフアカウントを発行していた場合は削除し、残るアカウントが全員自社の人か確認する
  • 外部サービスの共有アカウント:GA4・広告・メール配信・決済代行などで制作会社に付与していた権限を外し、自社のオーナー権限を確認する
  • APIキー・カスタムアプリ:制作会社が作成したカスタムアプリやAPIの認証情報があれば、用途を聞き、不要なら無効化する

制作会社に渡す権限の範囲と、渡さない権限の考え方はShopifyコラボレーターアカウントの権限|制作会社に渡す範囲で整理しています。終了時の棚卸しは、その記事の最小セットを基準に「それ以上残っていないか」を見ると漏れにくくなります。

解約後30日の確認事項

契約終了の翌日からストアが止まることはまれですが、月次の処理やアプリの更新が巡ってきたときに、引き渡し漏れが表面化します。終了後30日は次の点を確認してください。

  • 注文・決済・配送の通知メールが届いているか(差出人や通知先が制作会社のアドレスになっていないか)
  • アプリの課金が止まっていないか、逆に制作会社名義のアプリが解約されて機能が消えていないか
  • ドメインとSSL証明書が正常に表示されているか、ドメインの更新期限が近くないか
  • テーマやアプリの更新通知が来たとき、誰が対応するか決まっているか
  • GA4・広告アカウントで数字が途切れていないか(計測タグが制作会社のアカウントに紐づいていなかったか)
  • 受け取った運用マニュアルどおりに、実際の作業(商品登録・バナー差し替え)が自社でできるか

ここで見つかった不具合が「引き渡し漏れ」なのか「新しい問題」なのかで、誰が直すかが変わります。通知の段階で、終了後に見つかった引き渡し漏れへの対応期間を合意しておくと、話がこじれません。

円満に終えるための伝え方

解約の通知は、相手の仕事を否定する場ではありません。引き渡しを気持ちよく進めてもらうためにも、伝え方では次の3点を押さえます。

  • 理由は短く、事実だけ:「社内で運用体制を見直すため」「契約範囲を変えるため」など、相手を評価する言葉を使わない
  • 依頼を具体的に:受け取るもの一覧と希望する日付を添え、「何をいつまでに」が一目で分かるようにする
  • 感謝と事務を分ける:これまでの対応への感謝を一文で述べ、その後は事務的に淡々と書く

通知文面の骨子は次のとおりです。「○年○月○日をもって保守契約を終了したく、契約書第○条に基づきご連絡します。終了日までに、別紙の一覧の引き渡しをお願いします。引き渡し期間中の窓口は○○です。これまでのご対応に感謝いたします。」理由を聞かれたら、上の1点目の範囲で答えれば十分です。

まとめ|解約は「通知」ではなく「引き渡しの設計」

保守の解約で後から困るのは、通知の仕方ではなく、引き渡しと権限整理の抜けです。契約書の解約条項と予告期間を確かめ、受け取るもの一覧を先に作り、通知と同時に引き渡し期間を設定し、自社の権限を確保してから相手の権限を外し、終了後30日は点検を続ける。この順番を守れば、翌日からストアが止まる事態は避けられます。

新しい制作会社へ移る場合の全体の流れはShopify制作会社の変更手順|引き継ぎで受け取るもの一覧、次の契約で解約条件や成果物の権利を先に決めておく方法はShopify保守契約の内容|範囲・対応時間・契約書で決める項目を参照してください。制作会社の選び方そのものから見直すならShopify BtoB開発会社の選び方と費用相場|7つの確認点も参考になります。解約後の保守運用から集客・データ分析までを一気通貫で伴走する支援を探している場合は、awai Buildのサービス詳細でご確認ください。料金は構築費+月額(3プラン)+売上連動の形です。

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よくある質問

Q. 保守契約の解約は、いつまでに伝えればよいですか?
A. 契約書の解約条項に書かれた予告期間に従います。自動更新の契約では、予告期間を過ぎると次の期間分の支払いが発生することがあるため、更新日から逆算して通知日を決めてください。条項がない場合は、引き渡しに必要な期間を見込んで早めに伝え、引き渡し範囲を書面で合意します。
Q. テーマのコードは、解約時に必ず受け取れますか?
A. テーマはストアの中にあるため、ストアオーナー権限が自社にあれば、本記事執筆時点の公式ヘルプではテーマ一覧からテーマファイルをダウンロードできます。ただし、カスタムコードの著作権や利用権がどちらにあるかは契約書によります。終了後も改修を続けられるよう、権利の所在と説明資料の引き渡しを確認してください。
Q. 制作会社名義で契約しているアプリやドメインがあると、どうなりますか?
A. 契約終了とともに解約されたり、更新されずに止まったりするおそれがあります。引き渡し期間中にアプリ一覧と契約名義、ドメインの登録先を確認し、名義変更か自社名義での再契約を終えてから契約を終了してください。ドメインは特に、移管に日数がかかる場合があるため早めに着手します。
Q. ストアオーナーが制作会社になっています。先に何をすべきですか?
A. ストアオーナーの移転を最優先で行います。Shopifyのストアオーナーは1アカウントで、公式ヘルプの手順で移すことができます。オーナー権限が自社に戻るまでは、相手のコラボレーターアカウントやスタッフアカウントを外さず、まず自社の権限を確保してから整理に進んでください。
Q. 解約後に不具合が見つかったら、誰が直すのですか?
A. 契約書か通知時の合意によります。引き渡し漏れが原因の場合は旧制作会社に対応を求め、新しい問題なら自社か新しい委託先の仕事になります。通知の段階で、終了後に見つかった引き渡し漏れへの対応期間を決めておくと切り分けがしやすくなります。

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