公開日: 2026.10.21 / 最終更新日: 2026.10.21

Shopify制作会社の対応が遅い|原因の切り分けと催促の仕方

Shopify制作会社の対応が遅いと感じたとき、原因を依頼の出し方・契約・相手の体制の3つに切り分け、自社で直せる依頼テンプレ、角を立てない催促の文面、改善しないときに変更を判断する基準までを整理します。

机の上に返事のない封筒が何通も積み重なり、その横のカレンダーには待った日を示す赤い×印が並んでいて、担当者があごに手を当てて返事を待っている情景イラスト

「修正をお願いしてから1週間、返事がない」「見積もりが出るまでに10日かかった」——Shopifyで自社ECを運営していると、制作会社の対応の遅さがそのまま販売機会の損失になります。実際に困るのは、遅いと感じていても、原因がどこにあるのか分からず、催促するにも角が立つ気がして言い出しにくいことです。この記事では、対応が遅くなる原因を「依頼の出し方」「契約」「相手の体制」の3つに切り分け、自社側で今日から直せること、相手に求めるべきこと、それでも改善しないときの判断基準を順に整理します。制作会社を責めるためではなく、頼み方と契約の構造を直して、待ち時間そのものを減らすための実務記事です。

「対応が遅い」の中身を分ける|一次回答・着手・完了のどこで止まっているか

対応が遅いと一口に言っても、止まっている場所は3つに分かれます。どこで止まっているかで、原因も打ち手も変わります。

  • 一次回答が遅い:依頼を送っても「受け取りました」「○日までに見積もります」という返事が来ない。窓口の問題(担当者が1人・メールが埋もれる)であることが多い
  • 着手が遅い:返事はあるが、作業が始まらない。他案件との優先順位や、見積もり・承認の往復で止まっている
  • 完了が遅い:着手したのに終わらない。依頼内容が曖昧で手戻りが起きている、または想定より作業が大きかった

まず確かめたいのは、過去3か月の依頼を並べて、どの段階で何日かかっていたかです。メールやチャットの日付を拾うだけで、「返事は早いが着手が遅い」「返事そのものが来ない」といった傾向が見えます。この記録は、後述する催促や契約の見直しの根拠にもなります。

遅い原因は3つに切り分ける|依頼の出し方・契約・相手の体制

止まっている場所が分かったら、原因を3つに切り分けます。順番が大切で、自社で直せる「依頼の出し方」から手を付け、次に「契約」、最後に「相手の体制」を見ます。相手の体制は自社では変えられないため、先に自社側の要因を取り除いておかないと、催促しても「依頼が曖昧だったので確認していました」で終わってしまいます。

制作会社の対応が遅い原因を3つに切り分けた図。①依頼の出し方(自社で直せる)=口頭で頼む・期限と優先度がない・確認の質問が毎回返る→依頼テンプレで書面化し窓口を1つに絞る、②契約(交渉で直せる)=保守の範囲外で都度見積もり・担当者1人で止まる・一次回答の目安がない→一次回答の目安と月の作業枠を契約に入れる、③相手の体制(自社では直せない)=担当者が頻繁に変わる・小規模案件の優先度が低い→改善の期限を切り、変わらなければ変更を検討、の順に矢印でつなぎ、①②が整った状態で遅いなら原因は③だと脚注に添えている
原因よくある兆候自社で直せるか打ち手
依頼の出し方口頭・電話で頼んでいる/期限と優先度を伝えていない/1通に複数の依頼が混ざる/確認の質問が毎回返ってくる直せる依頼テンプレで書面化し、窓口を1つに絞り、優先度を自社で決めて渡す
契約「それは保守の範囲外です」と都度見積もりになる/担当者1人に依存し休暇や他案件で止まる/対応時間や一次回答の取り決めがない交渉で直せる一次回答の目安・月の作業枠・副担当(窓口の代替)を契約に入れる
相手の体制担当者が頻繁に変わる/小規模案件の優先度が低い/Shopifyの経験が浅く、調べながら作業している直せない改善の期限を切って伝え、変わらなければ変更を検討する
遅い原因の切り分けと、自社で直せるかどうか

表の上から順に潰していくと、相手の体制が原因だと分かる頃には、依頼も契約も整っています。整った状態で遅いなら、変更の判断にも迷いがなくなります。逆に、依頼が曖昧なまま変更しても、次の制作会社でも同じ遅さが再現されます。

自社側で直せること|依頼テンプレで「確認の往復」をなくす

対応が遅い案件の多くで、最初の1往復が「ご依頼の内容を確認させてください」で消えています。曖昧な依頼ほど、相手は見積もりも着手もできません。次の5項目を毎回同じ順番で書くだけで、確認の往復が減り、相手は受け取った瞬間に作業量を見積もれます。

  • 目的:なぜ直したいのか(例:スマホで商品画像が切れて見えるため、購入前の離脱を減らしたい)。目的が分かれば、相手はより簡単な別の方法を提案できる
  • 対象URL:どのページ・どのセクションか。ストアのURLと、管理画面のどの設定かまで書き、スクリーンショットを添える
  • 期限:いつまでに必要か、その理由(セール開始日・新商品の発売日)。期限がない依頼は、相手の中で優先順位が最下位になる
  • 優先度:高・中・低の3段階。すべてを「高」にすると機能しないため、月に「高」は1〜2件までと自社で決めておく
  • 完了条件:何をもって完了とするか(例:スマホのChromeとSafariで画像が全幅で表示される)。これがないと「直しました」「まだ崩れています」の往復が起きる

あわせて、依頼の窓口を1つに絞ります。社長がLINEで、担当者がメールで、別の担当がチャットで、とばらばらに頼むと、相手側で依頼が散逸し、優先順位も付けられません。自社内で依頼をいったん集め、週1回まとめて出す運用にすると、相手はまとまった作業枠で動けるので、結果的に早く終わります。細かな修正のまとめ方と、修正のたびに見積もりが出る契約の直し方はShopify修正依頼の追加費用|都度見積もりが続く理由と防ぎ方で扱っています。

契約が原因のとき|一次回答の目安・作業枠・担当1人の体制を確かめる

依頼の出し方を整えても遅いなら、契約を見ます。確かめるのは次の3点です。

  • 一次回答の目安が決まっているか:「営業日2日以内に受領と見通しを返す」のような取り決めがなければ、返事の遅さは契約違反にはならず、催促の根拠も弱くなる
  • 月の作業枠があるか:保守料金に「月○時間の作業枠」が含まれていれば、軽微な修正は見積もりなしで着手できる。枠がなく「保守=障害対応のみ」なら、修正のたびに見積もり・承認の往復が発生し、構造的に遅くなる
  • 担当者が1人か:窓口も作業も1人なら、その人の休暇・他案件で止まる。副担当や、担当者に連絡がつかないときの窓口が決まっているか

これらは契約更新や月次の打ち合わせで交渉できます。保守契約に入れるべき項目の全体はShopify保守契約の内容|範囲・対応時間・契約書で決める項目にまとめています。「今の契約には書かれていない」と分かれば、相手を責めるのではなく「次の更新で一次回答の目安を入れたい」と切り出せます。相手にとっても、見通しを返す目安が決まっているほうが優先順位を付けやすく、受け入れられることが多い提案です。

催促の仕方|状況・期限・選択肢を添えて、相手が返しやすくする

催促は、感情を込めずに「状況」「期限」「選択肢」の3点を短く書くのが基本です。「まだですか」だけでは相手は返事に困り、「いつになりますか」だけでは「確認します」で終わります。着手が止まっているときの文面は、例えば次のような形です。

  • 件名:【ご確認】商品ページ画像修正(10/8ご依頼分)の見通しについて
  • 本文:10/8にご依頼した商品ページの画像修正について、現在の状況を教えてください。10/25のセール開始までに反映したいため、10/20までの完了が可能か、難しい場合は可能な日程を、10/15までにご返信ください。工数が大きい場合は、スマホ表示の修正だけを先行していただく形でも構いません。

ポイントは、返信の期限(10/15)と作業の期限(10/20)を分けること、そして代替案(一部だけ先行)を自社から出すことです。相手は「できる・できない・一部ならできる」のどれかを選べばよく、返事のハードルが下がります。電話で催促した場合も、その内容を同じ形でメールに残しておくと、後で「言った・言わない」になりません。

催促しても返事がないときは、窓口を変える

返信期限を過ぎても音沙汰がなければ、担当者個人への催促を繰り返すのではなく、窓口を変えます。会社の代表メールや営業担当に、依頼日・催促日・影響(セールに間に合わない)を時系列で書いて送ります。これは苦情ではなく、相手の会社として対応体制を確かめる連絡です。担当者が多忙や休暇で止まっているだけなら、ここで動き出します。会社として反応がなければ、次の章の判断に進みます。

改善しないときの判断基準|変更を検討するライン

依頼を整え、契約を確かめ、催促の仕方も変えて、それでも遅いなら、原因は相手の体制です。制作会社の変更は引き継ぎに手間がかかるため、感情ではなく次の基準で判断します。

  • 一次回答の目安を決めた後も、3か月で半数以上の依頼が目安を超えている
  • 売上に直結する修正(決済・カート・在庫表示の不具合)が、期限を伝えても間に合わなかったことが2回以上ある
  • 担当者の交代が続き、そのたびに自社の仕様の説明を一からやり直している
  • 一次回答の目安や作業枠を契約に入れる交渉を、理由の説明なく断られた

2つ以上当てはまるなら、変更の準備を始めてよい段階です。変更を決める前に、テーマのコードやアプリの契約名義、各種アカウントの所有権が自社にあるかを確かめておくと、引き継ぎで止まりません。手順と受け取るものの一覧はShopify制作会社の変更手順|引き継ぎで受け取るもの一覧にまとめています。逆に1つも当てはまらないなら、変更より今の相手と運用を整えるほうが早く、手間も小さく済みます。

まとめ|遅さは「構造」で直す

対応の遅さは、担当者の性格や誠意の問題として捉えると解決しません。一次回答・着手・完了のどこで止まっているかを記録し、依頼の出し方→契約→相手の体制の順に原因を切り分け、自社で直せることから手を付ける。催促は状況・期限・選択肢を添えて短く書く。それでも改善しなければ、基準に照らして変更を判断する——この順番で進めれば、待ち時間は減り、変更が必要になったときも迷わず動けます。

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よくある質問

Q. 制作会社から返事がないとき、何日待ってから催促すべきですか?
A. 契約に一次回答の目安があればそれに従います。取り決めがない場合、一般的な目安として、営業日2〜3日たっても受領の返事がなければ催促して構いません。催促の際は、返信の期限と作業の期限を分けて書くと、相手が返しやすくなります。
Q. 電話で依頼したほうが早いのではないですか?
A. 急ぎの連絡には有効ですが、電話だけで済ませると内容が残らず、相手側でも優先順位を付けられません。電話で伝えた後に、目的・対象URL・期限・優先度・完了条件を同じ形でメールに残すのが確実です。
Q. 対応が遅いのは、自社の案件が小さいからでしょうか?
A. その可能性はありますが、確かめる前に依頼の出し方と契約を整えるのが先です。整えても遅く、担当者の交代や優先度の低さが続くなら、相手の体制が原因と判断でき、変更を検討する段階に入ります。
Q. 催促を繰り返すと関係が悪くなりませんか?
A. 感情的な表現を避け、状況・期限・選択肢の3点を短く書けば、催促は通常の業務連絡として受け取られます。曖昧なまま溜め込んで、後から一度に不満を伝えるほうが関係を損ねます。
Q. 契約に対応時間や一次回答の目安がない場合、どう切り出せばよいですか?
A. 月次の打ち合わせや契約更新のタイミングで、過去の依頼にかかった日数の記録を添えて「次の更新で一次回答の目安と月の作業枠を入れたい」と提案します。相手を責める形ではなく、双方が見通しを持てるようにする提案として伝えると受け入れられやすくなります。

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