公開日: 2026.07.11 / 最終更新日: 2026.07.11

Shopify BtoBのインボイス対応|適格請求書の発行・保存を実装するには【2026年版】

Shopify BtoB(卸売)でインボイス制度の適格請求書要件(登録番号・税率区分)を満たす請求書をどう発行・保存するか。標準機能の限界とアプリ連携・基幹連携カスタムの3つの道、費用の目安を非エンジニア向けに整理します。

Shopify BtoBの注文データから適格請求書(インボイス)が発行され、保存されるまでの流れを表すイメージ図

インボイス制度(適格請求書等保存方式)そのものへの対応は、多くの会社ですでに済んでいるはずです。会計ソフトや紙の請求書では、登録番号や税率ごとの消費税額といった記載要件を満たす運用ができている。ところが、Shopifyで受けたBtoB(卸売)の注文だけは、その仕組みの外に置き去りにされているケースが少なくありません。

理由は単純です。Shopifyの注文確認メールや標準の明細は、そのままでは適格請求書(インボイス制度の記載要件を満たした請求書)として扱えないからです。得意先から「Shopifyで注文した分の、インボイス制度に対応した請求書がほしい」と言われて初めて、対応が漏れていたことに気づく——という相談は珍しくありません。

制度そのものの記載要件や、締め請求・電子帳簿保存法との関係といった全体像は、インボイス対応を機に受発注を電子化するで整理しています。この記事では、そこから一歩進んで「Shopifyのストアフロント・管理画面で、具体的にどう実装すればよいか」に絞って解説します。

※この記事で示す費用は、要件によって幅のある目安レンジです。特定の会社の確定価格ではありません。また制度の細部は改正があり得るため、記載要件の最新情報は国税庁の案内と顧問税理士に必ず確認してください。

Shopifyの標準機能だけでは、記載要件を満たせない

まず押さえておきたい事実があります。Shopifyの注文確認メールや管理画面の標準の明細表示は、そのままでは適格請求書の記載要件(発行事業者の登録番号、税率ごとに区分した対価の合計額と消費税額など)を満たすようには作られていません。カード決済中心の一般消費者向けECを前提にした標準機能であり、BtoBの請求書発行を主目的にしていないためです。

つまり「Shopifyを使っているから、インボイス対応も自動でできている」というわけではなく、記載要件を満たす請求書を出すには、標準機能に何かを足す必要がある、というのが最初に確認すべき事実です。

インボイス対応を実装する「3つの道」

Shopifyでインボイス制度の記載要件を満たす請求書を発行・保存する方法は、大きく3つの道に分かれます。難易度と費用はおおむね①→③の順に上がります。

① Order Printer(Shopify公式の無料アプリ)でテンプレートをカスタマイズする——Shopifyには「Order Printer」という公式の無料アプリがあり、注文データをもとに請求書・納品書・領収書のテンプレート(Liquidという表示用の言語で書かれたひな形)をカスタマイズできます。ここに登録番号や税率ごとの消費税額区分などの記載要件を組み込む道です。取引先が少なく、テンプレートの作り込みに時間をかけられる場合はここから始められます。追加のアプリ利用料がかからないのが利点ですが、記載要件を漏れなく組み込む設計・確認は自分たちで行う必要があります。

② インボイス制度対応をうたう請求書発行アプリと連携する——Shopifyアプリストアには、インボイス制度の記載要件にあらかじめ対応したテンプレートや自動発行機能をうたう有料アプリが複数存在します。登録番号・税率区分の表示や、電子帳簿保存法に沿った保存機能まで含めて提供するものもあります。ゼロから設計し直す手間を省けるのが利点で、月額の利用料が継続コストになります(機能や料金はアプリごとに異なるため、自社の要件と照らして個別に確認が必要です。特定のアプリ名を挙げての優劣評価はここでは行いません)。

③ 基幹・会計システムと連携したカスタム実装——取引先が多く、基幹システムとの連携や締め請求(月ごとのまとめ請求)が絡む規模になると、Shopifyの注文データを基幹・会計システム側に連携し、そちらで適格請求書の発行・保存までを一気通貫に設計する道になります。締め請求と組み合わせた請求書発行は、請求書払い(掛け払い)の実装とセットで検討する会社が多い領域です。手間はかかりますが、インボイス対応と締め請求・入金管理を別々のツールで二重管理しない状態を作れます。

どの道が向くかは、「取引先の数」「税率が混在するか(軽減税率対象品目を扱うか)」「締め請求のように複数注文をまとめて1枚の請求書にする必要があるか」で変わります。いきなり③を目指す必要はなく、①や②から始めて必要に応じて広げる進め方も十分に選べます。

Shopifyでインボイス対応を実装する3つの道(Order Printerのカスタマイズ・対応アプリ連携・基幹連携カスタム)を難易度と費用の階段で示した図
3つの道は難易度・費用の階段。①②から始めて段階的に広げる進め方も選べる(金額は目安レンジ)

実装を頼む前に「決めておくべき」3つのこと

インボイス対応の実装は、次の3点を先に整理しておくと、見積りも設計もぶれにくくなります。

  • 税率が混在するか — 軽減税率(8%)対象の品目を扱っているか。混在する場合、税率ごとに区分した合計額と消費税額を分けて表示する必要があります
  • 請求書の単位 — 注文ごとに1枚発行するのか、月末締めで複数注文をまとめて1枚にするのか。まとめ発行の場合、登録番号や税率区分は毎回の記載要件を満たしたまま集計する設計が必要です
  • 保存方法 — 発行した請求書を電子で保存するのか、紙で出力して保存するのか。電子でやり取り・保存する場合は電子帳簿保存法のルールが関わるため、発行の仕組みと保存の仕組みをセットで決めておくと二度手間になりません

これらは技術の話である以前に、自社の請求実務そのものの棚卸しです。多くの場合、相談は「まずこの3点の現状を一緒に整理する」ところから始めるのが結果的に近道になります。

費用の目安と、小さく始める考え方

Shopifyでのインボイス対応の実装費用は、上記①②③のどこから入るかで大きく変わります。awaiのShopify構築・改修では、規模に応じて次のレンジを目安にしています(いずれも要件により変動する目安レンジで、確定額ではありません)。

  • 小規模(30〜50万円) — Order Printerの標準機能の範囲で、登録番号・税率区分を含むテンプレートを整えるところから始めるケース
  • 中規模(80〜150万円) — インボイス対応アプリとの連携や、既存ECの明細表示の改修を伴うケース
  • 大規模(200〜500万円) — 基幹・会計システムと連携し、締め請求と組み合わせたインボイス発行・保存までを通しで設計するケース

制度対応というと「一度に全部やらなければ」と身構えがちですが、実装は段階的に進められます。まずは主要な取引先向けにテンプレートを整え、締め請求やアプリ連携が必要になった段階で広げる、という進め方でも記載要件は満たせます。

陥りやすい失敗パターン

  • アプリを入れただけで満足してしまう — インボイス対応アプリを導入しても、自社の税率構成や請求単位(都度発行か締め請求か)に合わせた設定をしていないと、記載要件を満たさない請求書がそのまま出てしまうことがあります。導入後の設定確認までがセットです
  • 発行と保存がバラバラのまま — 請求書は正しく発行できても、保存の仕組み(電子帳簿保存法対応)を別途用意していないと、後から「保存要件を満たしていなかった」と気づくケースがあります。発行と保存は最初からセットで設計するのが安全です
  • 免税事業者との取引を見落とす — 取引先に免税事業者(適格請求書を発行できない事業者)が含まれる場合、仕入税額控除の扱いが変わります(経過措置あり)。Shopifyの実装だけで解決する論点ではなく、経理・税務側の確認と合わせて進める必要があります

awaiでは、Shopifyの自社EC構築・改修から基幹連携までを一気通貫で対応しています。「Shopifyの請求書だけインボイス対応が止まっている」という段階でも、まずは税率構成・請求単位・保存方法の現状を一緒に棚卸しし、①②③どの道から始めるのが現実的かを整理するところからお手伝いできます。

Shopifyの請求書、インボイス対応できているか30分で見立てます税率構成・請求単位(都度/締め請求)・保存方法の現状を伺い、Order Printerのカスタマイズ・アプリ連携・基幹連携のどこから始めるのが現実的かを、無料の30分相談で整理します。

よくある質問

Q. Shopifyの標準機能だけでインボイス制度に対応できますか?
A. 標準機能だけでは、登録番号や税率ごとの消費税額の区分表示といった適格請求書の記載要件を満たすようには作られていません。無料の公式アプリ「Order Printer」でテンプレートをカスタマイズする、インボイス対応をうたう有料アプリと連携する、基幹システムと連携してカスタム実装する、の3つの道のいずれかで対応を組み込む必要があります。
Q. Order Printerと有料のインボイス対応アプリ、どちらを選べばよいですか?
A. 取引先が少なくテンプレートの作り込みに時間をかけられるならOrder Printer(無料)から、記載要件への対応をあらかじめ組み込んだ状態で早く始めたいなら有料アプリとの連携が向きます。取引先の数や締め請求の有無、税率が混在するかどうかで判断が変わるため、自社の請求実務の現状を整理してから選ぶのが確実です。
Q. 月末締めでまとめて発行する請求書(締め請求)にも対応できますか?
A. 対応できますが、都度発行より設計の難易度が上がります。締め期間内の複数注文を1枚の請求書にまとめつつ、登録番号や税率区分の記載要件を毎回満たす必要があるためです。締め請求が絡む場合は、請求書払い(掛け払い)の実装や基幹システム連携とあわせて設計することが多い領域です。
Q. 費用と期間の目安を教えてください。
A. Order Printerのテンプレート調整から始めるなら小規模帯(30〜50万円)、インボイス対応アプリ連携や既存ECの明細改修を伴うと中規模帯(80〜150万円)、基幹・会計システム連携まで通しで設計すると大規模帯(200〜500万円)が目安です。いずれも要件により変動するレンジで、確定額ではありません。まずは30分の無料相談で自社の税率構成・請求単位・保存方法の現状を伺い、どの道から始めるのが現実的かをお伝えします。

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