公開日: 2026.06.09 / 最終更新日: 2026.10.21
楽天・AmazonからShopifyへ移行する方法と費用・手順
楽天・AmazonからShopifyへの移行手順と期間、構築費用の決まり方、楽天とShopifyの手数料の差を示します。移行してよい会社を見分ける3つの数字と、モールを続けながら切り替える進め方が分かります。
楽天・AmazonからShopifyへの移行は、モールの販売を続けたままShopifyでストアを作り、商品データを移して公開し、自社ECの集客が立ち上がってからモールを段階的に縮小する進め方が基本です。準備から公開までの期間は約2〜4ヶ月が目安で、費用は商品数・既存データの品質・基幹システム連携の有無で決まります。楽天市場の月商200万円で試算すると、月額出店料・システム利用料・決済手数料・アフィリエイト料・広告費の合計は月約19.5〜39.5万円です。ShopifyのBasicプランなら決済手数料と月額の合計で約7.6万円になり、差額は年間140万円を超えます(料金は2026年10月時点)。
ただし、手数料の差額で移行を決めると判断を誤ります。モールを離れると楽天やAmazonの集客力を使えなくなるためです。以下では費用の比較に加えて、移行してよい会社の条件、手順と期間、移行前に知っておきたいリスクを説明します。
なお、本記事は楽天・AmazonといったモールからのShopify移行を想定しています。BASEからの移行を検討している場合は判断基準や費用感が異なるため、BASEからShopifyへ移行する方法|タイミング・費用・手順を参照してください。
自社ECを持つ意味から検討したい場合は、Shopifyで自社ECを作るべき理由と費用|脱モールの判断基準に、顧客データとブランドの見せ方を自社で持つ意義を書いています。
楽天とShopifyの月額コスト比較
楽天市場(がんばれ!プラン)で月商200万円の場合、月額出店料25,000円(年間一括払い)+システム利用料7〜14万円(売上の3.5〜7.0%)+楽天ペイ利用料5〜7万円(2.5〜3.5%)+アフィリエイト料2〜6万円+広告費3〜10万円で、合計は月約19.5〜39.5万円です。楽天ポイントの原資(通常は購入額の1%)などは含めていません。ShopifyのBasicプラン(月払い)なら、国内カードの決済手数料3.55%(7.1万円)+月額4,850円で合計約7.6万円です。月の差額は約11.9〜31.9万円、年間では約143〜383万円になります。料金は2026年10月時点の楽天市場とShopifyの公式ページの表示で、アフィリエイト料と広告費は運用によって変わる想定額です。
楽天とShopify、月々のコストを図で比較する
月商200万円ケースの内訳を図にすると、楽天市場とShopifyでコストの中身の違いが一目でわかります。
楽天側は複数の費目が積み上がる構造で、売上が伸びるほど費用も比例して膨らみます。Shopify側は月額料金と決済手数料(Basicで3.55%)の2つで、売上に対する料率が楽天より低いため、差額は月商が大きい事業者ほど広がります。
モールを離れることへの3つの不安と回答
不安①「モールをやめたら集客できなくなる」→ 自社ECはSEO・SNS・メルマガ・LINE・広告で集客します。楽天の検索露出はモールのルール変更に左右されますが、自社のSEOは資産として蓄積されます。
不安②「レビュー・評価が引き継げない」→ 楽天・Amazonのレビューは移行できません。ただし、移行後にShopifyのレビューアプリ(Judge.me等)を使って新たに集め直せます。購入者へのレビュー依頼を続けて、数ヶ月かけて件数を積み直します。
不安③「Shopifyは難しそう」→ 商品管理・注文処理・在庫管理はShopifyの管理画面から直感的に操作できます。楽天の店舗管理画面(RMS)と比べると、むしろシンプルです。構築を開発会社に任せ、日々の運用は自社のスタッフが担う分担がよく見られます。
移行してよい会社・待つべき会社を分ける3つの数字
コスト差額だけで移行を決めるのは危険です。移行の成否は「楽天を離れたあと、自力で客を連れてこられるか」で決まります。相談する前に、次の3つを実測してください。
- モール依存度:全売上に占める楽天・Amazonの比率。90%超なら、代替の集客が立ち上がる前に縮小すると売上が急落する
- 自前で連絡できる顧客の数:メールアドレス・LINE友だち・SNSフォロワーの実数。ここが厚いほど移行直後から売上を立てられる
- モール外のSEO資産:自社ドメインやブログで検索流入を持っているか。ほぼゼロなら、検索が安定するまで6〜12ヶ月を見込む
3つとも移行に不利な状態なら、決めるべきは移行の時期と段取りです。楽天を続けながら自社ECを育て、自社ECの注文が安定してからモールを縮小する二段構えにすると、売上の急落を避けられます。一方で自前の顧客リストが厚ければ、費用の差額(前述の年間約143〜383万円)を早い時期から利益として残せます。
移行後に何が変わるか
- 手数料:売上の約8〜15%(前述の試算から広告費を除く) → 決済手数料(国内カードでBasic 3.55%〜Advanced 3.25%)とプラン月額
- 顧客データ:モール保有(自社不可) → 完全に自社保有
- リピート施策:モール内の仕組みのみ → メール・LINE・SNSを自由に設計
- ブランド表現:テンプレート制限あり → 完全カスタマイズ可
- 価格決定権:セール参加プレッシャーあり → 自社でコントロール
移行の手順と期間
- Phase 1(2〜4週間):商品データのエクスポート・顧客リストの確認・ストア開設
- Phase 2(4〜8週間):テーマカスタマイズ・商品データ移行・生成AI(LLM)による説明文最適化・SEO設定
- Phase 3(2〜4週間):モールとの並走・既存顧客へのShopify案内・公開
- Phase 4(公開後):モールの段階縮小・SEO/SNS/メルマガ施策スタート
たとえば楽天で月商600万円のブランドが同じ手順で移行する場合、楽天の運営を続けながらPhase 1〜3に約3.5か月をかけ、公開後にメール・SNS施策を本格化する進め方になります。SNSのフォロワーが少ない段階で移行すると、SEO流入が安定するまでに時間がかかります。その間の売上の落ち込みを見込んで、キャッシュフロー計画に余裕を持たせてください。
移行するデータは、種類によって扱いが異なります。項目ごとに、移せるもの・移せないものを着手前に確かめてください。
- 商品データ:商品名・説明文・画像・価格・バリエーション・在庫数。モールの管理画面から書き出したデータを、Shopifyの商品CSVの項目に合わせて変換して取り込む
- 顧客データ:モールで得た購入者の連絡先を自社ECの案内に使えるかは、各モールの規約で決まる。使える範囲を確認してから案内の計画を立てる
- レビュー:楽天・Amazonの評価は移行できない。公開後にレビューアプリで新たに集める
- URLと検索評価:モールのURLから自社ECへのリダイレクトはかけられない。自社ECの検索流入は新しいドメインで一から育てる
移行時の構築規模(3つの規模帯)
- 小規模:テーマカスタマイズ+商品データ移行(〜100SKU)。既存データがきれいで基幹連携も不要なケース
- 中規模:テーマ改修+アプリ連携+SEO設定+データ移行。多くの移行案件がこの規模に収まる
- 大規模:フルカスタム+商品データのAI整備+基幹システム連携。SKUが多く、既存データの作り替えが重いケース
楽天・Amazonからの移行では、「商品データの整備」に費用と工数の多くがかかり、成果も左右します。モールの検索に合わせて書いた商品説明文は、自社ECにそのまま載せても検索流入や購入率につながりにくいため、移行を機に書き直す計画にしてください。構築の範囲は商品数・既存データの品質・基幹システム連携の有無で大きく変わります。見積もりを取る前にこの3点を社内で確かめておけば、複数社の見積もりを同じ条件で比べられます。
移行前に知っておきたい3つのリスク
いずれも移行を決裁する前に、スケジュールと売上計画へ織り込む必要があります。
- 移行直後は売上がいったん落ちる。モールの商品ページが得ていた検索評価は自社ドメインに引き継げず、自社ECの検索流入は少ない状態から始まる。モールの売上を残したまま、繁忙期を外して切り替える
- 並走中は在庫を2か所で売ることになる。在庫を連携しないまま両方で販売すると、片方で売れた商品をもう片方でも受注し、欠品によるキャンセルが起きる。並走を始める前に在庫連携の方法を決め、その費用を見積もりに含める
- 楽天の規約で外部への誘導には制限がある。同梱チラシやメルマガで自社ECへ案内する前に、規約で認められる範囲を確認する。違反すると出店停止のリスクがある
Shopify移行が向いていないケース
楽天への売上依存度が90%以上で、SNSフォロワーや既存顧客リストがほぼない状態での移行は時期尚早です。モールの集客力を代替する施策が立ち上がる前に楽天を縮小すると、売上が急落するリスクがあります。また、月商50万円未満のフェーズでは構築費に見合う効果が出にくく、モールで売上の規模を作ってから移行を検討するほうが、投資を回収しやすい場合もあります。
移行の成否を分けるのは、手数料の計算より「商品データの作り替え」と「自社ECの検索流入づくり」です。この2つが遅れると、移行後に売上が落ちます。手数料でいくら下がるかはShopifyの費用・手数料で桁を掴み、そのうえで自社のモール依存度(売上に占めるモール比率と、モール経由でしか接点のない顧客の割合)と照らして判断してください。
楽天・Amazonの売上を残したまま自社ECを立ち上げる場合、awai Buildはモール依存度と自前の顧客リストを数えたうえで、モールと自社ECの並走計画を作ります。商品データの作り替えとShopify構築、公開後の集客と売上分析までを同じチームが担当するため、モールを縮小するタイミングも数字を見て決められます。
自社ECの「作り方」も「伸ばし方」も、30分の無料相談で一緒に整理します作り方・予算のかけ方・マーケの知見・広告運用のうち、どれか一つが欠けていても、良い商品は売上につながりません。現状のEC・SNS・顧客データをうかがい、どこから伴走を始めるべきかをその場でご案内します。Shopifyの月額費用・プラン比較を詳しく見るBasic・Grow・Advanced・Plusの月額料金と決済手数料、BASEとのコスト実額比較をまとめています。よくある質問
- Q. 楽天は続けながらShopifyを追加することはできますか?
- A. できます。楽天を維持しながらShopifyで自社ECを立ち上げ、徐々に自社EC比率を高めていくステップを取る事業者も多いです。ただし在庫管理の二重管理が発生するため、在庫連携アプリ(ネクストエンジン等)の導入を勧めます。
- Q. 楽天の顧客に自社ECへの移行を促すにはどうすればいいですか?
- A. 楽天からの購入者に同梱チラシ・メルマガで自社EC(Shopify)を案内するのが最も多く使われる手法です。ただし楽天の利用規約で外部への誘導に制限があるため、規約の確認が先決です。
- Q. Amazon FBAの在庫はどうすればいいですか?
- A. AmazonのFBA在庫をShopifyからも発送できる「マルチチャネルフルフィルメント(MCF)」サービスを活用する選択肢があります。移行期間中はAmazon FBAをそのまま使いながらShopify注文の配送もFBA経由で行うことが可能です。
- Q. 移行後、自社ECで売れるようになるまでどのくらいの期間がかかりますか?
- A. Shopify移行直後はSEO流入がほぼゼロからのスタートです。検索流入が安定し始めるのは6〜12ヶ月後が一般的な目安ですが、既存の楽天購入者にメール・SNSで自社ECを案内すれば移行直後から売上を立てることは可能です。ただし「楽天を離れた翌月から同等の売上が出る」ケースは少なく、移行後3〜6ヶ月は収益が一時的に落ちる想定で、キャッシュフロー計画を立ててください。
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