公開日: 2026.06.07 / 最終更新日: 2026.10.21
BASEからShopifyへ移行する方法|タイミング・費用・手順
BASEからShopifyへ移行する手順を、乗り換えを考える月商の目安、移せないデータ、費用の内訳と期間、公開直後の確認事項まで順に説明します。検索流入の落ち込みを抑える301リダイレクトの準備も扱います。
BASEからShopifyへの移行は、①BASEから商品データをCSVで書き出す、②Shopifyの形式に整える、③テストインポートで確かめる、④旧URLから新URLへの301リダイレクトを設定する、の4段階で進みます。期間の目安は、商品データの移行とテーマ設定が中心の小規模構成で3〜4週間です。
乗り換えを考え始める目安は月商50万円前後です。それ以下ならBASEのほうが総コストは安く済むことが多く、それ以上になると、BASEの決済手数料3.6%(+1件40円)とサービス料3%を合わせた6.6%の負担が売上とともに増えていきます。月商200万円なら、毎月13万円以上が手数料になる計算です。
ただし、この目安はBASEのどのプランを使っているかで変わります。BASEには従量課金型のプランと、月額固定で決済手数料が下がるプランがあり、後者に切り替えると手数料負担が軽くなるケースがあります。「6.6%が重いから移行」と決める前に、自社が今どちらのプランか、プラン変更で解消できる水準かを確認してください。料金は改定されることがあるため、判断の際は公式サイトの最新料金で計算します。
顧客データの活用、デザインの自由度、アプリによる機能拡張、複数チャネルへの展開のように、プランを見直しても解決しない理由があるなら、それが移行の根拠になります。手数料は移行を説明しやすい数字ですが、移行で得られるものの一部にすぎません。
BASEのどこが限界になるか
- 手数料の重さ:決済手数料3.6%+1件40円とサービス料3%で、率の合計は6.6%。月商300万円なら、率の部分で毎月19.8万円が手数料になる
- 顧客データの活用:購入者情報を外部のメール配信・LINE・広告ツールとつなぐ選択肢が、Shopifyのアプリに比べて少ない
- デザインの自由度:テンプレートのカスタマイズ幅が限られ、ブランドの世界観を表現しきれない
- アプリ連携の柔軟性:ShopifyはApp Store(Shopify専用のアプリストア)経由で8,000以上のアプリに対応し、BASEより機能拡張の幅が広い
Shopify移行を検討すべき3つのタイミング
- 月商50万円を超えたとき:手数料の差額が、Shopifyの月額費用とアプリ代を上回り始める目安
- 顧客リストを使ったマーケティングを始めたいとき:メルマガ・LINE・リターゲティングを本格化したい
- 商品数が100SKU(商品の品目数)を超えたとき:商品とバリエーションの管理の手間が増え、Shopifyの在庫・バリエーション管理が役に立つ
3つのタイミングを図で確認する
移行を検討すべき3つのタイミングを図にまとめました。どれか1つに当てはまった時点で、費用の内訳と照らし合わせて検討を始めると、慌てて移行せずに済みます。
3つのうち複数が同時に当てはまるほど、手数料の削減・顧客データの活用・管理の効率化という移行の効果が重なります。どれにも当てはまらないうちに移行すると、Shopifyの固定費のほうが重く感じられることがあるため、急ぐ必要はありません。
- 月商50万円を超えたまま放置すると、決済手数料+サービス料6.6%の負担が、移行を先送りした月数の分だけ積み上がる
- 顧客リストを本格的に使いたいのにBASEのままだと、外部ツールとの連携の選択肢が少なく、メルマガ・LINE施策の設計が後回しになる
- 100SKUを超えてから移行すると、整備する商品データの量も増えているため、移行時のデータ整備の期間が商品数に比例して延びる
- 判断に時間がかかっても焦る必要はない。BASEを運営し続けながらShopifyストアを非公開で並行準備できるため、検討に時間をかけても売上は止まらない
移行時期は、自社の月商と商品数、顧客リストをどこまで使いたいかを書き出し、図のどの分岐点に近いかを見たうえで、後述する費用の内訳と照らし合わせて決めます。
移行前に確認するチェックリスト
BASEからShopifyへの移行は、勢いで始めると途中で手戻りが出ます。着手前に次の5点を確認すると、見積もりも判断もぶれません。
- 商品数と種類:手作業で移すか、CSVで一括登録するか
- 決済手段:現在の決済をShopifyで再現できるか、手数料はどう変わるか
- 独自ドメイン:BASEで使っていたドメインを引き継ぐか。ShopifyのURLリダイレクトで転送できるのはShopifyにつないだドメイン上のURLに限られるため、BASEのサブドメインで運営していた場合は旧URLの扱いを別に決める
- 顧客・注文データ:どこまで移行し、何を捨てるか
- 公開のタイミング:並走期間を設けるか、一気に切り替えるか
5点と並行して、BASEの旧URLの一覧も書き出します。BASEで積み上げたページ評価は自動では引き継がれないため、この一覧がのちのリダイレクト設定と、公開後の告知の準備に使えます。
移行できるもの・できないものの仕分け
移行の見積もりがぶれる最大の理由は、「そのまま移せると思っていたものが移せない」ことです。着手前にこの仕分けを済ませると、公開直前の手戻りを防げます。
| 対象 | 移行の可否 | 実務上の対応 |
|---|---|---|
| 商品データ(商品名・価格・在庫・画像) | 移行できる | CSVで書き出し、Shopifyの列構成に合わせて整え直す。画像はURL参照か再アップロード |
| 顧客データ(氏名・住所・メール) | 条件付きで移行できる | パスワードは移行できない。Shopifyの顧客アカウントはメールに届く確認コードでログインする方式のため、ログイン方法が変わることを案内する |
| 注文履歴 | 参照用としては移せる | 過去注文をShopify上の注文として完全には再現できない。集計用にCSVで保管して参照する |
| レビュー | 直接は移行できない | Shopify側のレビューアプリで集め直す。移行前に件数と内容を保存する |
| 定期購入・サブスクリプション | 移行できない | Shopify側のアプリで再構築し、既存の購入者に再登録を案内する。最も告知が必要な項目 |
| クーポン・ポイント残高 | 自動では移行できない | 残高一覧を書き出し、Shopify側の割引コードやポイントアプリで個別に再現する |
| URL(ページ評価) | リダイレクトで引き継ぐ | 旧URL→新URLの対応表を作り、301リダイレクトを一括インポートする |
このうち、事前告知がないと顧客からの問い合わせにつながるのは、ログイン方法の変更・定期購入の再登録・ポイント残高の3つです。公開日の1〜2週間前から案内し、公開直後の問い合わせ窓口を用意すると、移行初週の対応に追われずに済みます。
移行にかかる費用の内訳
移行の費用は、Shopify側で毎月かかる費用と、移行時に1回かかる費用に分けて見積もります。BASEと比べるときは、Shopifyの月額だけで判断せず、次の表の項目を足した総額で比べます。
| 費用項目 | かかり方 | 金額を左右する要素 |
|---|---|---|
| Shopifyの月額プラン | 毎月(年払いも選べる) | プランの選択。上位プランほど決済手数料率が下がる |
| 決済手数料 | 売上に応じて毎月 | Shopifyペイメントを使うか、外部の決済サービスを使うか。外部の決済サービスを使う場合はShopifyの取引手数料が別にかかる |
| アプリの月額 | 毎月 | 定期購入・レビュー・ポイントなど、BASEで使っていた機能をアプリで再現する数 |
| テーマ | 有料テーマは購入時に1回 | 無料テーマで足りるか、有料テーマや独自デザインが必要か |
| 移行作業 | 移行時に1回 | 商品データの整備範囲、リダイレクトの件数、定期購入やポイントの再構築の有無 |
Shopifyの月額と手数料のプラン別の内訳は、Shopifyの費用|月額料金・手数料・プラン比較を参照してください。移行作業の費用を左右するのは商品点数の多さより、商品データの整備をどこまでやるか、定期購入やポイントのように再構築が必要な仕組みがいくつあるかです。
BASE→Shopify 移行の規模と期間
- 小規模:テーマカスタマイズ+商品データ移行/3〜4週間
- 中規模:テーマ改修+アプリ連携+SEO設定+データ移行/6〜8週間
- 大規模:フルカスタム+商品データのAI整備+基幹システム連携/3〜6か月
移行の工数の大半は「商品データの整備」に使われます。BASEから書き出した商品データをそのままShopifyへ入れても、商品名と価格しか入っていない状態では、検索での表示にも購入率にもつながりません。移行を機に、商品説明・画像のaltテキスト・検索結果用のタイトルと説明を整え直すかどうかで、移行後の伸びが変わります。
BASEからShopifyへ、移行作業はどの順で進むか
移行作業は「商品データを移す」「URLを引き継ぐ」の2つが山場で、手順を入れ替えると手戻りが出ます。
- ①書き出す:BASEの商品データは、CSV商品管理Appを追加すると登録済みの商品情報をCSVでダウンロードできる
- ②整える:Shopifyの商品CSVはUTF-8で保存する必要があり、1ファイルあたり15MBの上限があるため、超える場合は分割してインポートする
- ③試す:Shopifyのヘルプは、パートナーが大規模なインポートを代行する場合、本番の前に開発ストアで一部を試すよう案内している。自社で移す場合も、数商品を取り込んで表示を確かめてから全件に進む
- ④引き継ぐ:Shopify管理画面の[コンテンツ]→[メニュー]からURLリダイレクトを作成でき、CSVでの一括インポートにも対応している
手間がかかるのは②で、商品数が多いほど差が開きます。②では、商品名・説明文・画像のalt・検索結果用のタイトルと説明のうち、どの項目をどこまで書き直すかを決めてから手を動かします。商品説明の書き方とAIで整える手順は、商品説明文のAI自動生成|EC向けの進め方に詳しくあります。
公開直後にやること(48時間以内)
- 主要URLのリダイレクトを実地で確認する:旧URLをブラウザに直接入力し、意図した新URLへ1回で転送されるかを見る。転送が何段も挟まると評価の引き継ぎが弱まる
- Search Consoleに新ストアを登録し、サイトマップを送信する:登録が遅れるほど、インデックスの入れ替わりも遅れる
- 旧サイトの主要ページが検索結果に残っていないかを確認する:BASE側を閉じるのは、リダイレクトが機能していると確かめてから
- 決済・送料・クーポンをテスト注文で検証する:本番環境で1件購入し、注文確認メール・領収書・送料計算までを通しで確認する
- アクセス解析と広告のタグを入れ直す:計測が止まっていると、移行後に流入が落ちたのかどうかも判断できなくなる
Googleは、URLの変更を伴うサイト移転について、中規模のサイトでも新しいURLが検索結果に段階的に表示されるまでに数週間以上かかることがあり、その間は掲載順位が一時的に変動すると説明しています。1週間で判断して慌てて設定を戻すと、かえって回復が遅れます。確認するのは検索順位より、主要ページが新しいURLでインデックスに登録されたかどうかです。
移行後に起こる変化
- 手数料の差額が手元に残る(月商×料率の差から、Shopifyの月額とアプリ代を引いて試算する)
- 顧客のメールアドレスを使い、既存顧客へのリピート施策を打てる
- Googleショッピング・Meta広告と連携し、広告の成果を計測しながら運用できる
- 商品ページのデザインを改善し、CVR(購入率)を上げる施策を試せる
移行の注意点:SEOリスク
移行時に最も注意したいのは、検索評価の引き継ぎの失敗です。BASEのURLとShopifyのURLは構造が異なるため、301リダイレクト(旧URLから新URLへ自動で転送する設定)を正確に行わないと、検索流入が落ちます。Googleはリダイレクトをできるだけ長く、一般的には1年以上保持するよう勧めています。Shopify側の転送設定は公開後も消さずに残し、旧URLの対応表も手元に保管します。
BASE移行で判断を誤りやすい3つの点
移行を決める前に、次の3点を確認してください。いずれも、移行後に「思っていたより費用がかかった」「売上が落ちた」と感じる原因になりやすい点です。
- 月商50万円未満なら、BASEのままのほうが費用は安く済むことが多い。決済手数料+サービス料の合計6.6%が重くなるのは月商50万円を超えてから。それ未満で移行すると、Shopifyの固定費とアプリ代のほうが重く、移行がコスト増になる
- 公開日を繁忙期の直前に置くと、検索流入の落ち込みが売上の山と重なる。301リダイレクトを正確に設定しても、新しいURLが検索結果に出そろうまでに数週間以上かかることがあるため、セールや繁忙期から外して公開日を決める
- Shopifyの最も安いプランの月額を見て「安い」と判断すると、費用を見誤る。決済手数料・アプリ月額・テーマ・移行作業費まで足した総額でBASEと比べる(→ Shopifyの費用・手数料の内訳)
BASEのプラン変更で足りるか、移行が要るかは、現在の月商とプランで両方の手数料を試算すると比べられます。awaiの自社EC伴走支援「awai Build」はその試算から入り、移行する場合は商品CSVの整え直し、旧URLと新URLの対応表づくりと301リダイレクトの設定、公開後のインデックス登録の確認までを担います。公開後の集客と毎月のレポートも同じ体制で続けます。
楽天・AmazonからShopifyに移行する方法を見るモール手数料の実額比較から移行手順・費用まで。楽天・Amazon出店者向けガイドです。自社ECの「作り方」も「伸ばし方」も、30分の無料相談で一緒に整理します作り方・予算のかけ方・マーケの知見・広告運用のうち、どれか一つが欠けていても、良い商品は売上につながりません。現状のEC・SNS・顧客データをうかがい、どこから伴走を始めるべきかをその場でご案内します。よくある質問
- Q. 移行作業はBASEで営業しながら並行して進められますか?
- A. 進められます。BASEで営業を続けながら、Shopifyストアをパスワード保護で非公開にしたまま準備できます。裏で商品データの移行やリダイレクトの準備を進め、公開日を決めて切り替えれば、売上を止めずに移行できます。BASEを閉じるのは、Shopify側で注文と転送が問題なく動くと確かめてからにします。
- Q. BASEで積み上げたレビューはShopifyに持っていけますか?
- A. BASEのレビューデータは直接移行できません。移行後はShopifyのレビューアプリ(Judge.me・Yotpoなど)を使って新たに集め直す設計になります。
- Q. Shopify移行後にBASEは残しておけますか?
- A. 技術的には可能ですが、在庫・注文データの二重管理になるため勧めません。移行期間中は限定的に並走し、Shopifyの公開後にBASEを閉店する流れになります。
- Q. BASEで検索上位だったページの評価は、移行後どうなりますか?
- A. URLが変わるため、BASEのページ評価は自動では引き継がれません。301リダイレクトを正確に設定すると、Googleに新URLへ評価を引き継ぐよう伝えられますが、新しいURLが検索結果に表示されるまでには数週間以上かかることがあります。BASEとShopifyはURLの構造が異なるため、移行前にURL対応表を作成してから301設定を行ってください。
- Q. BASEの商品データはそのままShopifyに取り込めますか?
- A. 列の構成が異なるため、そのままでは取り込めません。BASE側はCSV商品管理Appで商品データをCSVに書き出せますが、Shopify側の商品CSVはUTF-8で保存する必要があり、1ファイルあたり15MBの上限もあります。書き出したデータをShopifyの列構成に合わせて整え直す工程が入ります。
- Q. BASEの定期購入やポイントはそのまま移せますか?
- A. どちらも自動では移行できません。定期購入はShopify側のサブスクリプションアプリで再構築し、既存の購入者に再登録を案内する必要があります。ポイント残高も同様に、残高一覧を書き出したうえでShopify側のポイントアプリや割引コードで個別に再現します。この2つは顧客への事前告知が必須で、告知なしに切り替えると問い合わせが集中します。
- Q. 移行費用はどのくらい見ておけばいいですか?
- A. 規模によって幅があります。期間の目安は、商品データの移行とテーマの設定が中心の小規模構成なら3〜4週間、アプリ連携やSEO設定まで含む中規模で6〜8週間、基幹システム連携まで含む大規模で3〜6か月です。費用は、Shopifyの月額・決済手数料・アプリ月額といった毎月の費用と、テーマ・移行作業のような1回限りの費用に分けて見積もります。Shopify側のランニングコストの内訳は[Shopifyの月額料金・手数料・プラン比較](/blog/12)に詳しくあります。
関連記事
- 2026.06.09楽天・AmazonからShopifyへ移行する方法と費用・手順楽天・AmazonからShopifyへの移行手順と期間、構築費用の決まり方、楽天とShopifyの手数料の差を示します。移行してよい会社を見分ける3つの数字と、モールを続けながら切り替える進め方が分かります。読む
- 2026.06.06Shopifyで自社ECを作るべき理由と費用|脱モールの判断基準Shopifyで自社ECを作る理由を、モール手数料・顧客データ・ブランド表現の3点から説明します。Shopifyの月額料金と決済手数料、構築費の規模帯、モールから移るかを決める3つの数字も整理しました。読む
- 2026.10.21Shopify保守費用の相場|月額に何が含まれるかの確認点Shopifyの保守費用の相場は、月額が時間制・定額の範囲制・都度見積もりのどの型かと作業範囲で決まります。型ごとの比べ方、月額に含まれる作業と含まれない作業、見積書・契約書で見る5つの確認点を説明します。読む
- 2026.10.21Shopify制作会社の変更手順|引き継ぎで受け取るもの一覧Shopifyの制作会社を変更したい方向けに、乗り換えを「決める前・通知・引き継ぎ・切替後」の4段階に分け、ストアオーナー権限・テーマのバックアップ・アプリの契約名義・計測と広告のアカウントなど引き継ぎで受け取るものを一覧にします。読む