公開日: 2026.05.29 / 最終更新日: 2026.10.21
Shopifyクローズドサイトの作り方|BtoB会員制4つの方法
Shopifyで取引先限定のクローズドサイト(BtoB会員制)を作る4つの方法を比較します。パスワード保護・アカウント必須設定・Shopify公式のB2B機能・アクセス制限アプリの違いと費用感、選び方を決める3つの質問を解説します。
Shopifyで取引先限定のクローズドサイトを作る方法は4つあります。全ページにパスワードをかける「パスワード保護」、購入時にログインを求める「アカウント必須設定」、会社単位で価格と権限を管理する「Shopify公式のB2B機能」、ページや商品ごとに閲覧を制限する「アクセス制限アプリ」です。どれを選ぶかは、隠したい範囲(サイト全体か、価格か)、取引先ごとに価格を変えるか、1社に複数の担当者がいるかの3点で決まります。
費用は、パスワード保護なら追加費用はほぼかからず、アクセス制限アプリならアプリ月額(月3,000〜15,000円程度)と設定作業が加わります。取引先を3つまでのグループに分けて価格を変えるなら、Basic以上で使えるShopify公式のB2B機能で足ります。取引先の会社ごとに個別の価格まで求めると、Shopify Plusの月額(368,000円から、2026年10月時点)やカスタム開発が必要です。必要以上に重い構成を選ばないよう、相談や見積もりの前に、自社が何を隠したいのかを書き出してください。
BtoB会員制サイトで実現したいこと
卸・メーカー・代理店の会員制サイトで求められる要件は、主に次の5つです。4つの方法は、このうちどこまで満たせるかが異なります。
- 未ログインのユーザーにはトップページも見せない(完全クローズド)
- 商品一覧・価格は見せるが、カートと注文はログイン必須にする
- ログイン済みのユーザーでも、顧客タグや会員ランクによって表示価格を変える
- 代理店AにはブランドXの商品、代理店BにはブランドYの商品を表示する
- 新規取引先は申請フォームから審査を経て、承認後にアカウントを発行する
実装パターン別:Shopifyクローズドサイトの作り方
パターン①:Shopifyパスワード保護(最もシンプル)
Shopify管理画面の「オンラインストア → 各種設定」で「プライベートモード」(パスワード保護)を有効にすると、全ページの手前にパスワード入力画面が出ます。1つのパスワードを取引先全員で共有する、最も手軽な方法です。顧客ごとの管理や価格の出し分けはできないため、取引先が少なく、試しに始めたい場合に向いています。
パターン②:Shopifyアカウント必須設定
顧客アカウントの設定でチェックアウト前のログインを必須にすると、未登録のユーザーは購入できなくなります。あわせてLiquidテンプレート(Shopify独自の画面表示言語)を編集し、ログイン前は商品価格を表示しないようにすれば、価格も隠せます。トップページや商品の存在は公開したまま、価格の閲覧と注文を、ログインした取引先だけに許可する方法です。
パターン③:Shopify公式のB2B機能(Basic以上・取引先別価格はPlus)
Shopify B2Bでは、取引先を「会社」として登録し、担当者ごとの権限(発注担当=Ordering only/ロケーション管理者=Location admin)、B2B向けのカタログと価格、支払条件(NET 30=請求から30日以内の支払い等)、ドラフト注文(店側が作成する下書き注文)を管理画面で扱えます。Basic・Grow・Advanced・Plusの各プランで使えますが、通常プランのB2B向けカタログは全マーケット合計で3つまでです。会社ごとに個別のカタログ(取引先別の価格)を割り当てられるのはPlusに限られます(Shopifyヘルプセンター、2026年10月時点)。
取引先グループが3つ以内なら通常プランのまま運用でき、取引先ごとに価格を変えるならPlusの契約が必要です。Plusの月額は368,000円から(3年契約、2026年10月時点)で、通常プラン(Basicは月4,850円)と桁が変わります。
パターン④:サードパーティアプリによる会員制構築
「Locksmith」「EasyLockdown」「Wholesale Hub(旧Wholesale Club)」などのアプリを使うと、ページ・コレクション・商品ごとにアクセスを制限できます。「このタグを持つ顧客に限って見られる」といった顧客タグ単位の制御ができ、アプリ費用は月3,000〜15,000円程度です。
4パターン、どれを選ぶか(3問で絞る)
| パターン | 隠せる範囲 | 取引先ごとの価格 | 1社に複数の担当者 | 費用の目安 |
|---|---|---|---|---|
| パスワード保護 | サイト全体(共通パスワード1つ) | 不可 | 不可 | 追加費用ほぼなし |
| アカウント必須設定+Liquid | 購入と価格表示 | テーマ改修で表示を切り替え | 不可 | テーマ改修の作業費 |
| Shopify公式のB2B機能 | B2B向けの価格・カタログ(ログインした取引先に表示) | 通常プランはカタログ3つまで、会社別はPlus | 可(発注担当・ロケーション管理者) | プラン料金内+設定作業(会社別価格はPlusの月額) |
| アクセス制限アプリ | ページ・コレクション・商品単位 | 顧客タグで可(アプリによる) | アプリによる | 月3,000〜15,000円程度+設定 |
4つのうちどれが合うかは、次の3問で絞れます。
- Q1. トップページも含めて完全に隠したいか、価格を隠せばよいか → 完全に隠すならパスワード保護かアプリ、価格を隠すならアカウント必須設定+Liquidの組み合わせ
- Q2. 取引先ごとに見せる商品・価格を変えたいか → 変えるなら顧客タグ制御(アプリ)かShopify B2B。グループが4つ以上、または会社単位で価格を変えるならPlus。パスワード保護1本では実現できない
- Q3. 1つの会社に複数の担当者がいて、発注権限を分けたいか → 分けるならShopify B2Bの会社機能。通常の顧客アカウントは1メールアドレス=1アカウントで、権限の階層を持てない
代理店ログインの実装方法
多く使われているのは、顧客タグに代理店IDを付け、Liquidテンプレートでタグに応じて表示を切り替える方法です。Shopify B2Bを使う場合は、代理店を会社として登録し、カタログと権限を管理画面から設定します。代理店ごとに個別の価格を持たせるならPlusが必要で、代理店数が多い・価格体系が複雑な場合はPlusとカスタム開発の組み合わせになります。
BtoB会員制サイト構築の費用感
- パスワード保護:0円(Shopify標準機能)
- アプリ活用(Locksmith等):月3,000〜15,000円のアプリ費用+設定作業(個別見積)
- Shopify B2B機能(通常プラン):プラン料金の範囲内+設定作業(個別見積)
- カスタム開発(顧客タグ制御+申請フロー):個別見積
- Shopify Plus+B2B機能+カスタム開発:個別見積+Plusの月額(368,000円から)
Shopifyの料金は2026年10月時点の公式情報で、アプリの月額は目安です。Shopify本体のプラン料金と決済手数料は改定されることがあるため、総額はShopifyの費用|月額料金・手数料・プラン比較にあるプラン別の料金表で構造を確かめ、公式の料金ページで最新の金額と突き合わせて試算してください。
Shopify BtoBで複数価格設定・顧客タグ・ロット販売を実装する方法を見る代理店別の卸値設定・顧客タグによる価格切替・最小注文数の実装パターンを難易度と費用感で整理しています。会員制サイトの運用で見落としやすい4点
会員制サイトは、公開後の運用で手が止まる場面が出てきます。多いのは、会員の承認・権限・退会まわりを決めないまま公開した場合で、担当者の手作業が少しずつ増えます。
BtoBでは、1つの取引先の中に複数の担当者がいるのが普通です。誰がアカウントを作れて、誰が発注を確定できるのか。この線引きが曖昧だと、意図しない発注や、見せたくない情報の露出が起きます。
- 新規会員の承認:自動で通すか、管理者が1件ずつ確認するか
- 権限の階層:閲覧のみ・発注可・管理者を取引先ごとに分ける
- 退会と休止:取引が止まった会員のアカウントをどう扱うか
- 既存得意先の招待:一斉案内か個別案内か、初回ログインまでの導線
これらはShopify B2Bサイトの構築手順で触れる会社アカウントの仕組みと合わせて設計すると、運用の手間を事前に減らせます。
取引先限定のサイトは、隠したい範囲・取引先別の価格・担当者の権限の3点で、通常プランで足りるかPlusが要るかが分かれます。awai Build(中小メーカー・卸向けの自社EC伴走支援)では、この3点を着手前に書き出して構成を選び、B2B機能やテーマの設定から、公開後の会員承認・価格変更の保守運用までを引き受けます。
自社ECの「作り方」も「伸ばし方」も、30分の無料相談で一緒に整理します作り方・予算のかけ方・マーケの知見・広告運用のうち、どれか一つが欠けていても、良い商品は売上につながりません。現状のEC・SNS・顧客データをうかがい、どこから伴走を始めるべきかをその場でご案内します。よくある質問
- Q. 取引申請フォームから承認まで自動化するには何が必要ですか?
- A. Typeform・Google FormsなどでBtoB申請フォームを作り、ZapierやMakeでShopifyの顧客アカウント作成と顧客タグ付与を自動化できます。担当者の審査を挟む場合は、Slack通知やメール通知と組み合わせます。Shopify Flow(ノーコードの自動化アプリ)はBasic以上の各プランで無料で使えるため、タグ付与などの後工程はFlowでも組めます。
- Q. パスワード保護とアカウント必須設定は、SEOにどう影響しますか?
- A. パスワード保護をかけるとGoogleのクローラーもページを読めなくなるため、検索結果に表示されません。検索からの流入が不要なら問題ありません。会社紹介ページなどを公開したまま検索流入も残したい場合は、トップは公開・価格や注文はログイン必須にするアカウント必須設定の組み合わせが向いています。
- Q. 既存の取引先に新しいクローズドサイトへの切り替えを案内するにはどうすればいいですか?
- A. 担当者がShopify管理画面で取引先のメールアドレスを顧客として登録し、ログイン方法を案内するメールを送ります。現行の顧客アカウントはメールに届く6桁の確認コードでログインする方式で、パスワード設定用の招待は要りません。案内メールに注文手順をまとめた操作マニュアルを添えると、切り替え直後の問い合わせを減らせます。
- Q. 複数の担当者が同じ会社として発注できるようにするには?
- A. Shopify B2Bの会社機能を使います。1つの会社に複数の担当者を紐づけ、「発注担当」「ロケーション管理者」といった権限を担当者ごとに設定でき、Basic以上のプランで利用できます。B2B機能を使わない通常の顧客アカウントは1メールアドレス=1アカウントで、会社としてのまとまりや権限の階層は持てません。
- Q. Shopifyで会員サイト(クローズドサイト)は作れますか?
- A. 作れます。本文の4パターン(パスワード保護/アカウント必須設定/Shopify公式のB2B機能/アクセス制限アプリ)のいずれかで実現できます。パスワード保護は追加費用がほぼかからず、アクセス制限アプリはアプリ月額(月3,000〜15,000円程度)+設定作業、取引先ごとの個別価格まで求めるとShopify Plusの月額やカスタム開発が加わります。自社が何を隠したいか(サイト全体か、価格・カタログか)を最初に書き出すと、必要以上に重い構成を避けられます。
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