公開日: 2026.10.31 / 最終更新日: 2026.10.31
Shopify顧客管理のセグメント|条件の書き方と配信での使い方
Shopifyの顧客セグメントは、フィルター名・演算子・値で書いた条件に合うお客様が自動で出入りするリストです。条件の書き方、メーカー・D2C向けの例10個、メール・割引・Flowへのつなぎ方、標準で足りない場面を書きました。
Shopifyの顧客管理では、管理画面の[顧客管理]>[セグメント]で、条件に合うお客様を集めた「顧客セグメント」を作れます。条件は「フィルター名」「演算子」「値」の組み合わせで、たとえば number_of_orders = 1 AND first_order_date <= -30d と書くと、初回購入から30日以上たって2回目のないお客様が集まります。セグメントは保存した後も、条件に合うお客様が自動で加わり、合わなくなったお客様は自動で外れます。作ったセグメントは、そのままメール配信、ディスカウントの対象、Shopify Flowの起点、CSVの書き出しに使えます。
顧客タグを手作業で付けて管理しているものの、付け忘れや付けっぱなしで、誰に何を送ったかが分からなくなっている。Shopifyで自社ECを運営するメーカーやD2Cブランドでよく見る状態です。以降は、セグメントの仕組み、作り方と条件の書き方、条件に使える主な項目、メーカー・D2C向けの条件例、メール・ディスカウント・Flowへのつなぎ方、標準機能で足りなくなる場面の順に書きます。
Shopifyの顧客セグメントとは|条件に合うお客様が自動で出入りするリスト
顧客セグメントは、似た特徴を持つお客様を条件で集めたリストです。ヘルプセンターでは「ルールベースの動的な顧客リスト」と説明されています。手作業でお客様を選ぶリストと違い、条件を保存する仕組みのため、毎回お客様を選び直す必要がありません。主な性質は次のとおりです(2026年10月時点のヘルプセンターの記載)。
- 条件に合う新しいお客様は自動で加わり、条件に合わなくなったお客様は自動で外れる
- 1人のお客様が複数のセグメントの条件に合えば、そのすべてに入る
- テスト注文と削除された注文は、セグメントの計算から除外される
- セグメントは、Shopify、ストアの担当者、アプリのいずれかが作成でき、一覧の[作成者]列で区別できる
- 一覧の人数は、セグメントの詳細ページを開いたときや、アプリがセグメントを使ったときに更新される
セグメントは、お客様のデータを入力とし、配信や割引などの使い道へ渡す中継点にあたります。全体の構造を図にすると次のようになります。
セグメントの作り方|テンプレート・既存セグメント・条件の直接入力
セグメントは、管理画面の[顧客管理]>[セグメント]で[セグメントを作成]をクリックし、エディタに条件を入れて作ります。始め方は3通りあります。
- テンプレートから作る:エディタの[テンプレート]アイコンからカテゴリーを選び、テンプレートのカードをクリックすると、条件がエディタに入る。複数のテンプレートを足すこともできる
- 既存のセグメントから作る:Shopifyが用意したデフォルトのセグメントや、自社で作ったセグメントを開いて条件を変え、[新しいセグメントとして保存]で別名にする
- 条件を直接書く:エディタに表示される候補からフィルター名・演算子・値を選ぶか、手で入力する
条件を入れたら[▹ 実行]([クエリを実行])をクリックします。条件に合うお客様がエディタの下に一覧で表示され、人数がエディタの上に出ます。条件の内容をAIが文章にした説明も表示されるので、作ろうとしたセグメントと合っているかを読み、問題がなければ[セグメントを保存]で名前を付けて保存します。管理画面のAIアシスタントであるSidekickに「最終注文から90日以上たっていて、マーケティングメールを購読しているお客様」のように文章で頼み、条件を作らせることもできます。
条件の文法はShopifyQLというShopifyの問い合わせ言語です。1つの条件は「フィルター名 演算子 値」の並びで書き、複数の条件は AND(すべてを満たす)か OR(どれかを満たす)でつなぎます。日付は 2026-10-01 のような絶対日付のほか、-30d(30日前)、-4w(4週間前)、-3m(3か月前)、-1y(1年前)のような相対の書き方ができます。日付は丸1日単位で、ストアのタイムゾーンで判定されます。条件に誤りがあると、エディタの下にエラーが表示され、誤った箇所に赤い下線が引かれます。
条件に使える主な項目と書き方
ヘルプセンターのリファレンスには、Shopifyが用意したフィルターが20種類以上載っています。メーカーやD2Cの自社ECでよく使うものを抜き出すと次の表のようになります。
| 項目 | フィルター名 | 書き方の例 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 注文数 | number_of_orders | number_of_orders >= 2 | 全期間の注文数。値は整数 |
| 利用額 | amount_spent | amount_spent >= 30000 | 通貨記号や桁区切りのカンマは入れない |
| 初回注文日/最終注文日 | first_order_date/last_order_date | last_order_date < -90d | 日付は丸1日単位 |
| 期間内の注文 | orders_placed | orders_placed MATCHES (count >= 2, date >= -90d) | 回数・1回の金額・合計金額・期間をかけ合わせられる |
| 購入した商品 | products_purchased | products_purchased MATCHES (tag = '詰め替え', date >= -60d) | 商品IDか商品タグで指定。IDの列挙は500件まで |
| メールの購読 | email_subscription_status | email_subscription_status = 'SUBSCRIBED' | 購読中のほか、未購読・保留中・解除済みなどの値がある |
| SMSの購読 | sms_subscription_status | sms_subscription_status = 'SUBSCRIBED' | メールとは別に同意を管理する |
| 定期購入のステータス | product_subscription_status | product_subscription_status = 'SUBSCRIBED' | 定期購入アプリを使っている場合に使える。解約済み・一時停止中・決済失敗なども指定できる |
| 顧客タグ | customer_tags | customer_tags CONTAINS '卸' | 大文字と小文字は区別されない |
| 商品の閲覧 | storefront.product_viewed | storefront.product_viewed MATCHES (id = 商品ID, date >= -14d) | 2023年5月以降のデータで、過去26か月分 |
| カゴ落ち | abandoned_checkout_date | abandoned_checkout_date >= -7d | 最後にチェックアウトを離脱した日 |
| メールの反応 | shopify_email.opened など | shopify_email.clicked MATCHES (date >= -30d) | Shopify Messagingのメールが対象。過去26か月分 |
| B2Bの会社 | companies | companies IS NULL | 会社に紐づいたお客様を外すときに使う |
| 予測される購入額の階層 | predicted_spend_tier | predicted_spend_tier = 'HIGH' | ストアの販売件数が100件を超えている場合に使える |
| 記念日 | anniversary | anniversary ('metafields.facts.birth_date') BETWEEN today AND +30d | 誕生日の標準メタフィールドなどを有効にしておく |
このほか、都道府県や市区町村、使用言語、顧客の追加日、ストアクレジットのアカウントなどのフィルターや、RFM分析のグループを指定する rfm_group もあります。自社で作った顧客メタフィールドも、日付と時刻・数字・テキスト・trueまたはfalseのデータ型であれば条件に使えます。会員のランクやポイント残高をメタフィールドに持たせれば、metafields.custom.points_balance >= 100 のような条件が書けます。
メーカー・D2Cで使えるセグメントの例10個
次の表は、メーカーやD2Cの自社ECで使い道の多いセグメントの例です。日数や金額は説明用の例で、自社の商品を使い切る日数や客単価に合わせて変えます。商品IDの部分は、エディタで商品名を入力して候補から選ぶと入ります。
| 目的 | 条件の例 | 主な使い道 |
|---|---|---|
| 初回購入から30〜60日で2回目がない | number_of_orders = 1 AND first_order_date BETWEEN -60d AND -30d | 使い切る頃の補充の案内 |
| 定期購入が有効 | product_subscription_status = 'SUBSCRIBED' | 定期便のお客様向けの案内、都度購入向け配信からの除外 |
| 定期購入を解約した | product_subscription_status = 'CANCELED' | 解約理由の聞き取り、再開の案内 |
| 都度購入を続けているが定期便は未利用 | number_of_orders >= 3 AND product_subscription_status = 'NEVER_SUBSCRIBED' | 定期便の案内 |
| 高額購入者 | amount_spent >= 50000 AND email_subscription_status = 'SUBSCRIBED' | 新商品の先行案内、レビューの依頼 |
| 直近90日に2回以上購入 | orders_placed MATCHES (count >= 2, date >= -90d) | まとめ買い・セット商品の案内 |
| 配信許可ありで180日以上購入がない | last_order_date < -180d AND email_subscription_status = 'SUBSCRIBED' | 掘り起こしの案内(1〜2通で反応を見る) |
| 本品は買ったが詰め替えは未購入 | products_purchased MATCHES (id = 本品の商品ID) AND products_purchased NOT MATCHES (id = 詰め替えの商品ID) | 詰め替えの案内 |
| 商品を見たが買っていない | storefront.product_viewed MATCHES (id = 商品ID, date >= -14d) AND products_purchased NOT MATCHES (id = 商品ID) | 商品の使い方や比較の案内 |
| 卸の取引先を除いた個人客 | companies IS NULL AND number_of_orders >= 1 | 個人向け配信の母集団 |
メーカーがShopify B2Bで卸の取引先も扱っている場合は、個人向けのセグメントに companies IS NULL を加えておくと、取引先の担当者に個人向けのキャンペーンが届くのを防げます。セグメントの名前は「目的_条件_使い道」のように付けると、後から一覧を見たときに中身が分かります。
セグメントをどこで使うか|メール・ディスカウント・Flow・書き出し
保存したセグメントの詳細ページで[セグメントを使用する]をクリックすると、メールとディスカウントの作成に進めます。使い道ごとの要点は次の表のとおりです。
| 使い道 | 操作 | 押さえる点 |
|---|---|---|
| メール配信(Shopify Messaging) | [セグメントを使用する]>[メール] | 旧Shopify メール。届くのはメールを購読しているお客様に限られる。毎月10,000通まで無料、超えた分は1,000通あたり1米ドルから |
| SMS・WhatsApp・自動配信 | Shopify Messagingのキャンペーンとマーケティングオートメーション | 自動配信は、そのチャネルの購読者に送られる。料金はチャネルごとに異なる |
| ディスカウント | [セグメントを使用する]>[ディスカウント] | 商品の割引額・注文の割引額・Xを購入してYをプレゼント・送料無料から選ぶ。ディスカウントの利用資格で顧客セグメントを指定する |
| Shopify Flow | トリガー「Customer joined segment」 | お客様がセグメントに加わったときに、顧客タグの追加・削除、メタフィールドの更新、メモの更新ができる |
| CSVの書き出し | [その他の操作]>[エクスポート] | セグメントのお客様だけの顧客CSVを書き出せる。配信の記録や外部ツールへの取り込みに使う |
メールは、セグメントの人数と実際に届く人数が一致しません。Shopify Messagingは購読者のメールアドレスが有効なものかも確認するため、届く人数はセグメントの人数より少なくなることがあります。配信前に、セグメントの条件に email_subscription_status = 'SUBSCRIBED' を加えておくと、届く相手の人数を事前に見積もれます。件名や配信時間の見直しはECメルマガ開封率の平均と上げ方|件名と配信時間の見直し方、カゴ落ちのお客様への配信はカゴ落ち対策|リカバリーメールの配信タイミングと効果の測り方に手順があります。
Shopify Flowでは、セグメントへの加入をきっかけに顧客タグを付けられます。たとえば「高額購入者」のセグメントに入った人に「VIP」のタグを付ければ、タグを読み込める外部のアプリや、タグで顧客を絞るアプリでも同じ区分を使えます。ヘルプセンターには、誕生日のお客様、VIPのお客様、60日以上注文のないお客様を対象にしたテンプレートが用意されています。
標準のセグメントで足りなくなる場面|アプリやCRMを検討する目安
顧客セグメントは、Shopifyの中にあるデータで絞り込む仕組みです。条件の幅は広い一方、次のような場面では、アプリや外部のCRM、表計算での集計が必要になります。
| やりたいこと | 標準のセグメント | 足りない場合の手段 |
|---|---|---|
| Shopifyの注文・購読・閲覧で絞る | できる | - |
| モールや電話・FAXの注文も合わせて絞る | Shopifyに取り込んでいない注文は使えない | 注文を取り込むアプリ、外部のCRMやデータ基盤で統合する |
| LINEの友だちに配信する | LINEの友だち登録を示すフィルターはない | LINE連携アプリ。アプリが顧客タグやメタフィールドに書き込めば条件に使える |
| 自社の基準で点数を付けて区分する | Shopifyが決めたRFMグループや購入額の階層は使える。独自の点数は持てない | 表計算で点数を出し、顧客メタフィールドに書き戻すか、分析アプリを使う |
| 区分ごとの人数の推移を残す | 一覧の人数はその時点の値 | 月に1回人数を記録する。継続して追うならダッシュボードを作る |
| 条件ごとに配信のシナリオを細かく分岐させる | Shopify MessagingのオートメーションとFlowで組める範囲に限られる | 配信の分岐に強いメール配信アプリやMAツール |
LINEで配信したい場合は、どのアプリがShopifyの顧客データとLINEのIDをどう結び付けるかで、使える条件が変わります。選び方はShopifyとLINEの連携|4段階・費用・アプリの選び方にあります。定期購入のステータスで絞るには定期購入アプリが要るため、アプリを選ぶ段階で、セグメントで使う値を受け渡せるかも確認します。定期購入アプリの比べ方はShopify定期購入アプリの選び方|決済・解約・移行の確認点にあります。
セグメントを増やしすぎないための運用ルール
セグメントは手軽に作れるぶん、似た条件のものが増え、どれを使えばよいか分からなくなります。少人数で運営するなら、次の3つを決めると一覧が荒れにくくなります。
- 名前の付け方:「目的_条件_使い道」の形にそろえ、日付や担当者名を名前に入れない
- 作る人と消す人:作成と削除をできる担当を決め、一度使ったきりのセグメントは、配信が済んだら削除するか、[名前の変更]で「済」と分かる名前にする
- 見直しの時期:月に1回、主なセグメントの人数を記録し、条件の日数や金額が今の商品や価格に合っているかを確かめる
また、セグメントは配信の対象を選ぶ道具で、配信してよいかどうかの判断までは代わりにしてくれません。メールやSMSの購読への同意と、お客様の情報を何に使うと伝えて集めたかは、セグメントを作るたびに条件とあわせて見ます。
まとめ|条件で集めて、配信と割引につなげる
Shopifyの顧客セグメントは、フィルター名・演算子・値の組み合わせで条件を書き、合うお客様が自動で出入りするリストです。初回購入から日数がたって2回目がない人、定期購入の状態、高額購入者、配信許可のある休眠客など、メーカーやD2Cで使う区分の多くは標準のフィルターで作れます。作ったセグメントは、Shopify Messagingのメール、ディスカウント、Shopify Flow、CSVの書き出しにそのまま渡せます。Shopifyの外にある注文やLINEの友だち、独自の点数で区分したくなった段階で、アプリやCRMを検討します。
セグメントの条件づくりと、区分ごとの配信・割引の設計、その後の人数の推移の記録までを、自社EC全体の運用の中で受け持つのがawai Build(中小メーカー・卸向けの自社EC伴走支援)です。料金は構築費+月額(3プラン)+売上連動の組み合わせで、内容はawai Buildのサービス詳細をご覧ください。
自社ECの「作り方」も「伸ばし方」も、30分の無料相談で一緒に整理します作り方・予算のかけ方・マーケの知見・広告運用のうち、どれか一つが欠けていても、良い商品は売上につながりません。現状のEC・SNS・顧客データをうかがい、どこから伴走を始めるべきかをその場でご案内します。よくある質問
- Q. セグメントに入っているお客様全員にメールが届きますか?
- A. 届きません。Shopify Messagingのメールが届くのは、マーケティングメールの購読に同意しているお客様だけです。さらに、メールアドレスが有効なものかも確認されるため、実際に届く人数はセグメントの人数より少なくなることがあります。条件に email_subscription_status = 'SUBSCRIBED' を加えると、届く相手の人数を事前に見られます。
- Q. 顧客タグとセグメントはどう使い分けますか?
- A. 注文数や最終注文日のように、Shopifyが持っているデータで決まる区分はセグメントにします。条件が変われば自動で出入りするため、付け忘れや外し忘れが起きません。一方、展示会で会った人や卸の取引先のように、Shopifyのデータだけでは判断できない区分はタグで付け、そのタグをセグメントの条件に使います。
- Q. 定期購入のお客様だけを抜き出せますか?
- A. 定期購入アプリを使っていれば、product_subscription_status = 'SUBSCRIBED' の条件で抜き出せます。値には、有効のほか、解約済み、一時停止中、決済失敗、期限切れ、一度も申し込んでいない、があります。定期購入アプリを使っていないストアでは、このフィルターは使えません。
- Q. セグメントの人数はすぐに反映されますか?
- A. お客様の出入りは自動で行われますが、セグメント一覧に表示される人数は、セグメントの詳細ページを開いたときや、アプリがセグメントを使ったときに更新されます。最後に更新された日時は、人数にカーソルを合わせると確認できます。配信の前には詳細ページを開いて最新の人数を見ます。
- Q. LINEの友だちをセグメントで絞り込めますか?
- A. Shopifyが用意したフィルターには、LINEの友だち登録を示す項目はありません。LINE連携アプリが、友だち登録の有無を顧客タグや顧客メタフィールドに書き込む仕組みであれば、そのタグやメタフィールドを条件に使えます。アプリがどの項目に書き込むかは、導入前に提供元に確認します。
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