公開日: 2026.09.16 / 最終更新日: 2026.09.16

ECメルマガ開封率の平均と上げ方|件名と配信時間の見直し方

自社ECのメルマガで開封率が伸び悩んだときに見直したい、件名と配信時間の考え方を整理します。平均値との付き合い方から、少人数体制でも続けられる改善の優先順位まで解説します。

件名の異なる2通のメールカードにそれぞれ開封率のゲージが並び、開封率が高い方に合格マークが付き、傍らの時計が配信時刻を示している情景イラスト

自社ECでメルマガを配信していると、「以前より開封率が下がってきた気がする」「平均と比べてうちは低いのか高いのか分からない」と感じる時期が出てきます。ただ、実際に迷うのはそこから先で、件名を変えればいいのか、配信する時間帯を変えればいいのか、両方いっぺんに試していいのか、という優先順位の部分です。ここは、専任のマーケターがいて毎回A/Bテストを回せる体制と、担当者が他の業務と兼務しながら配信している少人数の自社ECとで、取るべき手順がまったく変わります。この記事では、開封率の「平均」をどう受け止めるべきか、件名と配信時間のどちらを先に見直すべきか、そして開封率という指標そのものに潜む落とし穴までを、少人数体制で運用できる形に整理します。

メルマガ開封率の「平均」をどう見るか|数字だけを目標にしない理由

配信サービスや調査によって幅はありますが、メルマガ全体の開封率は20%前後で語られることが多く、EC・小売業は他業種の平均と比べてやや低めの傾向にあるという報告も見られます(あくまで一般的な目安です)。EC・小売のメルマガはセールや新商品の告知が中心になりやすく、受信者が「また宣伝か」と感じて開封しないケースが多いことが理由として挙げられています。

ここで注意したいのは、この平均値をそのまま自社の目標にしないことです。平均は、業種・リストの規模・配信頻度・セグメント配信の有無など条件が大きく異なる母集団を均した数字であり、購入者・未購入者を分けて配信している店舗や、件名を継続的に工夫している店舗は平均を大きく上回ることも珍しくありません。逆に、全員へ同じ内容を高頻度で送っている店舗は、平均を下回りやすくなります。自社が見るべきなのは「業界平均との比較」よりも、「自社の過去の配信との比較(先月比・前回配信比)」です。

件名を見直す|開封率に効きやすい工夫と避けたい表現

配信時間を検証するより先に取り組めるのが件名です。コストも準備もかからず、次の配信からすぐに試せます。

  • 具体的な数字・期限を先頭に置く:「今だけ」より「9/30まで」のように、読んだ瞬間に判断できる情報を件名の前半に入れる
  • 受信者にとっての利益を先に書く:商品名やキャンペーン名だけでは、開いてみないと何が得かが伝わらない
  • プレビュー文(プリヘッダー)を件名の続きとして使う:一覧画面に表示される最初の数十文字を、件名で書ききれなかった具体性の補足に使う
  • 避けたい表現①「!!!」「【緊急】」のような記号・煽り表現の多用:一覧画面で浮いて見えるうえ、迷惑メールと判定されやすくなる
  • 避けたい表現②毎回同じ書き出しを繰り返す:件名のパターンが固定化すると、読者が中身を予測してしまい開封の動機が下がる

配信時間の考え方|「正解の時間」を探すのではなく自社データで検証する

配信時間については、一般に平日の10〜11時台や、BtoCでは夜21〜23時台が開きやすいと紹介されることが多く、EC事業者を対象にした調査でも19時台の配信が最も多かったという結果があります。ただし、これはあくまで他社の傾向であり、自社の読者がいつスマートフォンを見る習慣があるかは業種・客層によって異なります。

時間帯想定される読者の状況紹介されることが多い配信内容
10〜11時台午前の業務が落ち着いた頃お知らせ・通知系。BtoB寄りの読者にも合いやすい
12時台昼休みの合間軽く読める内容、セール告知
19時台帰宅後・夕食前後EC事業者の配信で最も多い時間帯という調査もある
21〜23時台就寝前にスマートフォンを見る時間BtoCでリラックスした状態で読まれやすいとされる
配信時間帯ごとの一般的な傾向(各種調査の目安・自社データでの検証が前提)

少人数体制で毎回A/Bテストを組むのは負担が大きいため、次の順番で無理なく検証していくのが現実的です。

件名を直す、配信時間を自社データで検証する、効果が出た型を固定する、開封率だけで判断しないという4段階で開封率を改善する順番を示した図

まず件名を直すところから始め、効果が落ち着いたら配信時間だけを変えて2〜3回分のログを比べます。同時に2つの変数を動かすと、開封率が変わった理由が件名なのか時間なのかを切り分けられなくなるため、順番に検証することが遠回りに見えて実は近道です。

件名と配信時間、どちらを先に見直すべきか|少人数体制での優先順位

結論としては、件名を先に、配信時間はそのあとです。件名はコストも準備もかからず、次の配信からすぐに試せる一方、配信時間の効果を確かめるには複数回分の配信ログを蓄積する必要があり、判断までに時間がかかります。少人数体制であれば、まず件名の型を2〜3パターン用意して数回配信し、開封率が安定してきた段階で初めて配信時間の検証に着手する、という順番が無理がありません。

効果測定で見落としやすい視点|開封率だけで判断しない

開封率が改善しても、必ずしも売上につながるとは限りません。開封率だけを追っていると、内容を開いたものの購入や来店には至っていない、というギャップに気づけなくなります。クリック率(メール内のリンクがどれだけ押されたか)や、配信経由の売上・注文数もあわせて確認する習慣をつけることで、件名の工夫が実際の成果につながっているかを判断できます。

加えて、iPhoneでメールを受信している読者が多い場合、開封率の数値そのものが実態より高く出ることがあります。これは、AppleがOS標準のメールアプリに搭載している「メールプライバシー保護」という機能が、受信者が実際に開封したかどうかにかかわらず、あらかじめメールを読み込んでしまうためです。開封率が急に底上げされたように見えるときは、クリック率や配信停止率など、開封の有無に左右されにくい指標もあわせて確認すると実態をつかみやすくなります。

まとめ——平均は目安、順番は件名から

メルマガの開封率は、業界平均をそのまま目標にするのではなく、自社の過去の配信と比べて改善していく指標です。コストのかからない件名の工夫から着手し、効果が安定してから配信時間の検証に進むことで、少人数体制でも無理なく開封率を底上げできます。そして開封率が上がったときほど、クリック率や売上といった次の指標まで見る習慣が、配信を続ける力になります。

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よくある質問

Q. 開封率はどうやって計算しますか?
A. 開封率は「開封数÷メールの到達数×100」で算出します。到達数は配信数から不達(エラー)を除いた数で、配信数そのものではない点に注意が必要です。配信ツールによっては自動で表示されますが、計算方法が異なるツールを併用している場合は算出の基準をそろえてから比較してください。
Q. 開封率の平均はどのくらいを目安にすればいいですか?
A. 調査によって幅がありますが、メルマガ全体では20%前後、EC・小売業は他業種よりやや低めという報告が多く見られます。ただしこれはあくまで一般的な目安で、リストの質や配信頻度によって大きく変わるため、平均との比較よりも自社の過去の配信との比較を優先してください。
Q. 件名と配信時間、どちらから手をつければいいですか?
A. 件名からです。コストも準備もかからず、次の配信からすぐに試せます。配信時間の効果を確かめるには複数回分の配信ログが必要になるため、件名の型が安定してから着手する順番が無理がありません。
Q. 開封率が高いのに売上につながっている実感がありません。
A. 開封率だけを見ていると、内容を開いたものの購入や来店には至っていない、というギャップに気づけません。クリック率や配信経由の売上・注文数もあわせて確認し、件名の工夫が実際の成果につながっているかを見る習慣をつけることをおすすめします。
Q. iPhoneユーザーが多いと開封率は正しく測れませんか?
A. Appleのメールプライバシー保護機能により、実際に開封していなくてもメールが自動で読み込まれ、開封率が実態より高く出ることがあります。読者にiPhoneユーザーが多い場合は、開封率単体ではなくクリック率や配信停止率もあわせて確認すると実態をつかみやすくなります。

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