公開日: 2026.10.31 / 最終更新日: 2026.10.31

ShopifyのRFM分析|11グループの使い方とCSV採点

ShopifyのRFM分析は、標準のRFM顧客分析レポートで11グループの分布を見る方法と、注文CSVを書き出して自社の基準で採点する方法の2つです。採点の手順と例、ランク別の打ち手、期間・定期顧客・ゲスト購入の扱いを書きました。

机の上に縦長のつまみが3本並んだ採点盤が立ち、各つまみの上には小さなカレンダー、循環する矢印、コインの山の印が付いて、つまみはそれぞれ違う高さに止まっており、横に立つ担当者が採点盤を指さし、右の机には顧客カードが高さの違う3つの山に分けて積まれている情景イラスト

ShopifyでRFM分析をする方法は2つあります。1つは管理画面の[分析]>[レポート]にある「RFM顧客分析」レポートで、Shopifyがお客様ごとに最終購入日(R)・注文回数(F)・利用額(M)を1〜5点で採点し、11のRFMグループに自動で分類します。もう1つは注文CSVを書き出し、自社の商品の購入周期に合わせた基準で採点する方法です。はじめは標準レポートでグループごとの人数と売上の分布を見て、境目を自社で決めたくなった段階でCSVの採点に進むと、手間をかけずに始められます。

顧客リストはたまってきたものの、誰にどんな案内を出せばよいかが決まらない。メーカーやD2CブランドのEC担当者からよく出る悩みです。以降は、R・F・Mの意味とShopifyでの元データ、標準レポートの11グループの読み方、CSVで採点する5段階の手順と計算例、ランクを配信・定期便への誘導・休眠の掘り起こしにつなげる方法、結果がずれやすい3つの点の順に書きます。

RFM分析とは|R・F・Mの3つの物差しで顧客を並べる

RFM分析は、購入履歴のあるお客様を、最後に買ってからの日数、買った回数、使った金額の3つの物差しで点数にし、組み合わせで区分する方法です。売上の大きいお客様を探すだけなら金額の順に並べれば済みますが、RFM分析では「最近は買っていない優良客」や「買ったばかりで回数がまだ少ない人」のように、次に打つ手が違う人たちを分けられます。

指標測るものShopifyでの元データ見るときの注意
R(リーセンシー)最後に購入してからの日数。短いほど高い点注文CSVの「Created at」の最新日。セグメントでは last_order_date顧客CSVには最終注文日の列がない
F(フリークエンシー)購入した回数注文CSVの注文番号(Name)の数。顧客CSVの「Total Orders」顧客CSVの値は全期間の累計
M(マネタリー)購入した金額の合計注文CSVの「Total」から返金額を引いた合計。顧客CSVの「Total Spent」顧客CSVの値は全期間の累計。送料を含めるかを決める
R・F・Mの意味とShopifyでの元データ

RFM分析が扱うのは、すでに購入したお客様です。メルマガに登録していても購入のない人は対象外で、Shopifyの標準レポートでも「見込み客」として別に扱われます。新規の獲得や、商品ごとの売れ行きを比べたい場合は別の分析を使います。商品の側を売上の大きさで並べる方法は、売れ筋・死に筋分析のやり方|ABC分析と交差比率の5ステップに手順があります。

Shopifyの標準機能でできること|RFM顧客分析レポートと11のグループ

Shopifyのヘルプセンターによると、RFM顧客分析ではお客様一人ひとりに3桁のスコアが付きます。各桁は1から5で、5はそのストアの中で上位20%、1は下位20%に入っていることを示します。業界の基準や外部のデータは使わず、自社ストアのデータで決まります。そのうえで、Rの点数と、FとMの平均((F+M)÷2、小数は切り捨て)であるFMの組み合わせから、お客様を11のグループに分類します(2026年10月時点)。

グループ(rfm_groupの値)RFMお客様の状態
チャンピオン(CHAMPIONS)53より大きいごく最近購入し、回数も金額も多い
ロイヤルカスタマー(LOYAL)3〜43より大きい最近購入があり、回数が多く金額も高い
アクティブ(ACTIVE)4以上1より大きく3以下最近購入があり、回数と金額は中程度
新規(NEW)51以下ごく最近購入したが、回数と金額は少ない
有望(PROMISING)41以下最近購入したが、回数と金額は少ない
注意が必要(NEEDS_ATTENTION)33購入はあるが、間隔が空き始めている
離脱寸前(ALMOST_LOST)32以下間隔が空き、回数と金額も少ない
離脱の危機(AT_RISK)2以下2より大きく4以下最近は買っていないが、過去の実績が豊富
以前のロイヤルカスタマー(PREVIOUSLY_LOYAL)2以下4より大きい最近は買っていないが、過去の実績が非常に豊富
休眠中(DORMANT)2以下2以下最近の購入がなく、回数と金額も少ない
見込み客(PROSPECTS)--まだ注文していない
ShopifyのRFMグループと分類の条件(ヘルプセンターの記載・2026年10月時点)

レポートは、管理画面の[分析]>[レポート]で[カテゴリー]の絞り込みを[顧客管理]にすると一覧に出てきます。表にはグループごとに、総顧客数に占める割合、最終注文からの平均日数、合計注文数、合計利用額などが並びます。グループ名をクリックすると、そのグループの「RFM顧客リスト」を開くか、「セグメントをプレビュー」でそのグループを条件にした顧客セグメントを作る画面に移れます。セグメントの条件は rfm_group = 'AT_RISK' のように書くこともできます。

標準レポートには、知っておきたい制約が3つあります。1つ目は、個々のお客様の3桁のスコアは管理画面に表示されないことです。グループの中で金額の大きい人を抜き出したいときは、ヘルプセンターの例のように、グループの平均利用額をレポートで確かめ、利用額の条件を足して絞り込みます。2つ目は、点数が上位20%ずつの相対評価であることです。30日で使い切る商品でも、年に1回買う商品でも同じ割り方になるため、Rの5点が「30日以内」を意味するとは限りません。3つ目は、定期便のお客様や卸の取引先も、ほかのお客様と同じ物差しで採点されることです。これらが気になる場合は、次のCSVでの採点に進みます。

CSVで自社の基準で採点する5段階の手順

自社の基準で採点するときは、表計算ソフトで次の5段階を進めます。顧客CSVにも注文回数と利用額の列はありますが、全期間の累計で、最終注文日の列がありません。期間を区切ってRを出すには注文CSVを使います。

CSVでRFM分析を進める5段階を左から右へ並べた図。①期間を決めて書き出す(注文CSVを期間指定で、直近1〜2年を目安に、顧客CSVは全期間の累計)、②注文を整える(1注文1行にまとめる、キャンセル・返金を除く、卸・社内の注文を除く)、③顧客ごとに集計する(最終購入日をR、注文回数をF、合計金額をMに)、④1〜5点で採点する(境目は購入周期で決める、例としてRは30日刻み、人数の偏りを見る)、⑤区分して打ち手へ(RとFMの組み合わせ、新規・優良・離脱の危機など、区分ごとに施策を1つ)を矢印でつなぎ、各段の下に使う画面と注文CSVの列(Name、Canceled at、Refunded Amount、Email、Created at、Total など)を添え、下の帯にShopifyの標準レポートは同じ処理を上位20%ずつの採点で自動で行うと記している
  • ①期間を決めて書き出す:[注文管理]で[エクスポート]を選び、日付を指定して書き出す。51件以上の注文や日付指定の書き出しは、CSVがメールで届く。商品の購入周期が短いなら直近1年、長いなら直近2年を目安にする
  • ②注文を整える:注文CSVは、複数の商品を含む注文が商品ごとに複数行になる。注文番号(Name)で1注文1行にまとめ、キャンセル日(Canceled at)が入った注文を除き、返金額(Refunded Amount)を差し引く。卸の取引先や社員の購入、サンプル出荷の注文もここで外す
  • ③顧客ごとに集計する:メールアドレス(Email)を軸に、最終購入日、注文回数、合計金額の3列を作る。メールアドレスが空の注文は、電話番号や氏名で手作業で寄せるか、集計から外す
  • ④1〜5点で採点する:3つの列それぞれに境目を決めて1〜5点を付ける。境目は、商品を使い切る日数や、実際に何回目で離れる人が多いかから決める
  • ⑤区分して打ち手へ:RとFMの組み合わせで区分し、区分ごとに出す案内を1つ決める。Shopifyのグループの線引きをそのまま使うと、標準レポートと見比べられる

採点の境目は、人数を均等に5つに割る方法と、業務の意味で線を引く方法があります。標準レポートは前者です。メーカーやD2Cの消耗品なら、Rは「商品が手元でなくなる頃」を基準に後者で引くと、点数から「そろそろ切れる人」「切れてから2か月たった人」が分かります。次の表は、30日で使い切る商品を想定した境目の例です。

点数R:最終購入からの日数F:注文回数M:合計金額
530日以内6回以上30,000円以上
431〜60日4〜5回15,000〜29,999円
361〜90日3回8,000〜14,999円
291〜180日2回4,000〜7,999円
1181日以上1回3,999円以下
採点の境目の例(30日で使い切る商品を想定した架空の基準)

この基準で7人のお客様を採点した例が次の表です。数値はすべて説明用の架空のもので、区分の欄にはShopifyのRFMグループの線引き(RとFMの組み合わせ)を当てはめた結果を書いています。

お客様最終購入から回数合計金額RFMFM区分
A12日8回41,600円5555チャンピオン
B20日1回3,800円5111新規
C45日2回9,000円4232アクティブ
D75日3回11,400円3333注意が必要
E140日5回26,000円2444離脱の危機
F260日7回52,000円1555以前のロイヤルカスタマー
G400日1回2,900円1111休眠中
例:7人のお客様の採点と区分(架空の数値)

CのFMは(2+3)÷2=2.5で、切り捨てて2になります。EとFはどちらも過去にはよく買っていた人ですが、Fのほうが実績が大きく、離れてからの期間も長いため、出す案内を変えます。同じ人数を数えても、合計金額の大きい人がどの区分に何人いるかで、どこから手を付けるかが変わります。

ランクを打ち手に変える|配信・定期便への誘導・休眠の掘り起こし

区分ができたら、区分ごとに出す案内を決めます。すべての区分に一度に手を付けるより、人数と合計金額が大きい区分から1つずつ始めるほうが、どの案内で何が変わったかを追えます。

区分ねらい打ち手の例Shopifyでの出し方
新規・有望2回目の購入使い方の案内、使い切る頃の補充の案内初回購入日と注文数1回を条件にしたセグメントへメール
アクティブ・注意が必要購入の間隔を保つ売れ筋や関連商品の案内、まとめ買いの提案グループを条件にしたセグメントへメール、関連商品の購入有無で絞る
チャンピオン・ロイヤルカスタマー関係を深める定期便の案内、レビューの依頼、新商品の先行案内定期購入のステータスが有効でない人に絞って定期便を案内
離脱の危機・以前のロイヤルカスタマー呼び戻す新商品やリニューアルの知らせ、個別性の高い連絡グループを条件にしたセグメントへ少数の配信、必要なら電話や手紙
離脱寸前・休眠中反応する人を見つける1〜2通だけ案内し、反応がなければ配信の頻度を下げるメール購読中かつ最終注文日が古い人のセグメント
区分ごとの打ち手と、Shopifyでの出し方の例

配信では、Shopify Messaging(旧Shopify メール)からセグメントを選んでメールを送れます。セグメントに入っていても、メールの購読に同意していないお客様には届きません。値引きを出す場合は、セグメントを対象にしたディスカウントを作れます。ただし、チャンピオンやロイヤルカスタマーは値引きがなくても買う人たちです。値引きを出すなら、離脱の危機や休眠の区分に絞るほうが、粗利を守れます。

定期便を持っているブランドでは、回数と金額が高いのに定期便を使っていないお客様が、定期便を案内する相手の候補になります。定期購入アプリを入れていれば、セグメントの条件 product_subscription_status で、定期購入が有効な人、解約した人、一度も申し込んでいない人を分けられます。定期便の回数設計や解約の起きる回については、EC定期購買の仕組みと設計|解約が起きる回と引き止めの作り方に詳しく書いています。

打ち手の結果は、区分の間の移動で見ます。案内を出した月から1〜2か月後に同じ基準で採点し直し、新規から2回目に進んだ人数、離脱の危機からアクティブに戻った人数を数えます。店全体のリピート率の出し方はECのリピート率の平均と上げ方|計算方法と最初にやる施策の順番にあります。

結果がずれやすい3つの点|期間の切り方・定期顧客・ゲスト購入

期間の切り方

全期間で集計すると、何年も前にたくさん買った人のFとMが高く出て、今の売上を支えている人が埋もれます。反対に期間を短くしすぎると、年に数回しか買わない商品では多くの人がFの1点に集まり、差がつきません。商品の購入周期の3〜4倍以上を目安に期間を取り、採点し直すときも同じ期間の長さを使います。顧客CSVの「Total Orders」「Total Spent」は全期間の累計なので、期間を区切るときは注文CSVから集計し直します。

定期顧客の扱い

定期便のお客様は、契約に沿って毎月注文が立つため、自然とRもFも高くなり、チャンピオンやロイヤルカスタマーに集まります。この人たちは自分で選んで買い続けているというより、契約が続いている状態で、打つべき手は解約の防止です。都度購入のお客様と混ぜると、優良客の人数が実態より多く見えます。定期便のお客様は、注文のタグや定期購入のステータスで分けて別に集計し、都度購入のお客様に絞ってRFMを見る表をもう1枚作ります。

ゲスト購入の名寄せ

Shopifyでは、アカウントを作らずに購入したお客様にも、注文した時点で顧客プロフィールが作られます。同じ人が別のメールアドレスで買うと、プロフィールが2つに分かれ、それぞれ回数1回の新規として数えられます。Shopifyには顧客プロフィールを統合する機能がありますが、統合は元に戻せず、どちらかに定期購入の契約がある、または過去にあった場合や、B2Bの会社に紐づいている場合などは統合できません。名寄せの軸の決め方や、どこまで手を入れるかの考え方はEC顧客リストの活用法|名寄せの手順と最初に切る3つの区分にあります。RFMで使うなら、金額の大きい順に上位の数十人を確認すれば、区分の判断には足ります。

卸の取引先をShopify B2Bで扱っている場合も、取引先の担当者がお客様として採点に入ります。標準レポートや顧客セグメントを使うときは、companies IS NULL の条件を加えると、会社に紐づいたお客様を外せます。

まとめ|標準レポートで分布を見て、必要なら自社の基準で採点する

ShopifyのRFM分析は、標準のRFM顧客分析レポートで11グループの人数と売上の分布を見るところから始められます。商品の購入周期に合わせた境目が要る場合や、定期便のお客様と卸の取引先を分けたい場合は、注文CSVを書き出し、整えて、顧客ごとに集計し、1〜5点で採点し、区分します。区分ができたら、人数と金額の大きい区分から案内を1つずつ出し、1〜2か月後に区分の移動を数えます。

注文データの書き出しと採点、区分ごとの配信の設計と、その後の区分の移動の計測までを継続して受け持つことが、awai Build(中小メーカー・卸向けの自社EC伴走支援)の仕事の1つです。料金は構築費+月額(3プラン)+売上連動の組み合わせで、内容はawai Buildのサービス詳細をご覧ください。

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よくある質問

Q. ShopifyでRFM分析をするのに、アプリは必要ですか?
A. グループごとの人数や売上を見るだけなら、アプリは要りません。管理画面の[分析]>[レポート]にある「RFM顧客分析」レポートで、お客様が11のRFMグループに分類されています。採点の境目を自社で決めたい場合や、定期便のお客様を分けて見たい場合は、注文CSVを書き出して表計算ソフトで採点するか、RFM分析に対応したアプリを検討します。
Q. 個々のお客様のRFMスコアは見られますか?
A. Shopifyの管理画面では、個々のお客様の3桁のスコアは表示されず、所属するグループが分かります。グループの中で金額の大きい人を抜き出したい場合は、グループを条件にした顧客セグメントに、利用額などの条件を足して絞り込みます。一人ひとりの点数が必要なら、注文CSVから自社で採点します。
Q. お客様が数百人の小さなストアでも、RFM分析は意味がありますか?
A. 意味はありますが、割合より人数と実名で見るほうが判断を誤りにくくなります。標準レポートの点数は上位20%ずつの相対評価なので、人数が少ないと数人の違いで境目が動きます。少人数のうちは、区分ごとの人数を数え、合計金額の大きいお客様を名前で確かめながら案内を決めます。
Q. RFM分析はどのくらいの頻度で見直しますか?
A. 商品の購入周期に合わせます。30日前後で使い切る商品なら月に1回、季節商品や年に数回の購入が中心なら四半期に1回が目安です。見直しのたびに同じ期間の長さと同じ境目で採点し、区分の間を移動した人数を記録すると、出した案内の結果が追えます。
Q. 定期便のお客様もRFM分析に含めますか?
A. 分けて見ることをおすすめします。定期便のお客様は契約に沿って注文が立つため、RもFも高くなり、優良客のグループに集まります。都度購入のお客様と混ぜると、優良客の人数が実態より多く見えます。定期便のお客様は解約を防ぐ施策の対象として別に集計し、RFMは都度購入のお客様で見ます。

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