公開日: 2026.09.19 / 最終更新日: 2026.09.19
ECレビューの集め方|依頼メールのタイミングと文面の作り方
自社ECで商品レビューが集まらないときに見直したい、依頼のタイミングと文面の作り方を整理します。商材ごとの日数の目安、特典をつけるときのステマ規制の線引き、低評価が届いたときの扱いまで解説します。
自社ECを立ち上げて注文が入るようになっても、商品ページのレビュー欄が空のまま、という状態はよくあります。実際に迷うのは「レビューをお願いするかどうか」ではなく、そこから先の一つひとつの判断です。いつ送れば読んでもらえるのか、文面に何を書けば負担なく書いてもらえるのか、お礼にクーポンを付けてよいのか、低い評価が付いたらどうするのか。ここは、レビュー専用のツールを入れて自動で回している店舗と、担当者が他の業務と兼務しながら手作業でメールを送っている少人数の自社ECとで、現実的な進め方が変わります。この記事では、依頼のタイミングと文面の作り方を中心に、特典をつけるときに気をつける法令上の線引き、低評価が届いたときの扱いまでを、少人数体制でも回せる形に整理します。
依頼を始める前に決める2つのこと|「どこに集めるか」と「何を書いてもらうか」
最初に決めておきたいのが、レビューを集める場所を1か所に絞ることです。自社ECの商品ページ、出店しているモール、Googleビジネスプロフィール、SNSと投稿先を分散させると、どこにも件数が貯まらず、購入を迷っている人の判断材料になりません。自社ECの転換率(訪問者のうち購入に至った割合)を上げたいのであれば、まずは自社ECの商品ページに集約し、その1か所で件数が見える状態を作ります。
もう1つは、何を書いてもらいたいかを決めることです。星の数だけが並んでいても、購入前の不安は解消されません。効くのは「購入前に迷ったことが、買った後にどうだったか」が書かれたレビューです。サイズ感や量の感覚、実際に使った場面、以前使っていたものとの違い——依頼メールでこうした視点を1つか2つ示しておくと、書く側も何を書けばよいか分からずに手が止まりにくくなります。全商品に均等に集めようとせず、まずは主力商品を数点に絞り、1商品あたり5〜10件を当面の目安に置くのが現実的です。
依頼のタイミング|到着直後ではなく、商材によって日数を変える
配送完了の通知と同時にレビューを依頼している店舗は少なくありませんが、この時点では中身を開けただけで、まだ使っていない購入者がほとんどです。逆に遅すぎると、買ったときの印象が薄れて書く動機がなくなります。一般には商品到着から2〜3日後を目安に置くことが多いのですが、これは「ひと通り使い終わるまでの日数」の代理指標にすぎません。自社の商材が使い切るまで、あるいは良し悪しが分かるまでにどれくらいかかるかで、日数は変えたほうが実態に合います。
| 商材の種類 | 目安の日数 | 考え方 |
|---|---|---|
| 化粧品・食品などの消耗品 | 到着から7〜14日以内 | 使用感が分かる程度に使い、印象が残っているうち |
| 衣料品・雑貨 | 到着から3〜7日 | 一度着用・使用したタイミング。返品期限とも重なりやすい |
| 家電・家具などの耐久財 | 到着から2〜3週間 | 設置して日常的に使い始めてから。初期不良の判断も済んでいる |
| 季節商品・イベント商材 | 到着から3〜7日 | 使う機会が過ぎると急速に関心が薄れるため早めに |
送るのは1回きりにせず、返信がなければ1週間ほど空けて一度だけリマインドを入れます。ここで止めるのが重要で、3通目・4通目と送ると、レビューは増えないまま配信停止だけが増えていきます。
依頼メールの文面|入れる4要素と、書いてはいけない一言
文面は長く書くほど読まれなくなります。次の4つが入っていれば十分です。
- ①何についての依頼か:注文した商品名を本文の冒頭に置く。複数商品を買った人に「ご購入商品について」とだけ書くと、どれの話か分からず手が止まる
- ②なぜ聞きたいか:「次に検討する方の参考になります」と、書く意味を一言で伝える。店舗側の都合(レビュー件数を増やしたい)は書かない
- ③どこに書くか:投稿ページへのリンクかボタンを1つだけ置く。マイページへの案内やログイン導線を挟むほど離脱する
- ④どれくらいで書けるか:「星の選択だけなら30秒、ひとことでも大歓迎です」のように、負担の小ささを具体的に示す
件名は「【商品名】お使いいただけましたか?」のように、商品名と問いかけを組み合わせると、何のメールか一目で分かります。逆に、避けたい書き方もはっきりしています。
- 避けたい表現①「星5つでお願いします」「高評価をお願いします」:後述のとおり、評価の内容を条件づけると景品表示法上の扱いが変わる
- 避けたい表現②文例をそのまま渡して書き写してもらう:購入者本人の言葉ではなくなり、読む側にも見抜かれる
- 避けたい表現③配送や梱包へのお詫び・言い訳を長々と添える:書く前から評価を誘導している印象になり、かえって不信感につながる
特典をつけるときの線引き|条件にしてよいのは「投稿したこと」まで
レビューの件数を増やす手段として、クーポンやポイントの付与はよく使われます。ここで押さえておきたいのが、2023年10月1日から、事業者の表示であることが消費者に分かりにくい表示(いわゆるステルスマーケティング)が景品表示法上の不当表示として規制されている点です。規制の対象になるのは商品を供給する事業者、つまり店舗側であり、投稿した購入者自身ではありません。
消費者庁が公表しているQ&Aでは、レビューを投稿したことを条件にクーポン券を提供する場合でも、投稿内容について指示をしていなければ、そのレビューは通常「事業者の表示」には当たらないと整理されています。一方で、「星5つを付けること」を条件にした場合は、事業者が表示の内容を決定しているといえるため「事業者の表示」に当たるとされています。この場合、事業者の広告であることを明瞭に示さなければならなくなり、口コミとしての意味も失われます。
実務上の線引きはシンプルで、特典の条件は「投稿したこと」までに留め、内容には一切関与しないことです。評価の高低で特典の有無や中身を変えない、文面を指定しない、社員や家族が購入者を装って投稿しない。この3つを守れば、特典そのものが問題になることはまずありません。あわせて、特典の金額には景品表示法の景品規制(購入者全員に配る、いわゆる総付景品の上限)もあるため、高額なプレゼントを企画するときは別途確認が必要です。モールに出店している場合は、プラットフォームごとにレビュー特典の可否や表現のルールが定められているので、実施前に最新の規約を確認してください。
低い評価が届いたときの扱い|消さずに返信する
低評価を非表示にしたくなるのは自然ですが、星5つばかりが並ぶレビュー欄は、読む側からは不自然に見えます。低評価が数件混じっているほうが全体の信ぴょう性は上がり、購入前に懸念を潰せるという意味では販売にも寄与します。消すのではなく、店舗として返信を残すのが基本的な対応です。
- 事実の確認:指摘された内容のうち、事実として起きたことを認める(届いた状態、説明との相違など)
- 対応の提示:交換・返品・問い合わせ窓口など、その購入者が次に取れる行動を示す
- 改善の共有:同じことが起きないように何を変えたかを書く。ここが、後から読む検討者にとって最も参考になる
一方、事実無根の内容や誹謗中傷、明らかな競合による投稿については、各プラットフォームの削除申請フローがあります。感情的に反論を書き込む前に、まず申請の可否を確認してください。返信で議論を続けても、読んでいるのは当事者ではなく、これから買おうとしている第三者です。
少人数体制での最小構成|メール3通から始める
専用ツールを入れる前に、既存の配信機能だけでできる最小構成があります。1通目は注文時のサンクスメールで「後日、感想をうかがうご連絡をします」と予告を入れておくこと。予告があるだけで、後から届く依頼メールの開封率と反応が変わります。2通目が本番の依頼で、前述の商材別の日数で送ります。3通目は1週間後のリマインドで、ここで打ち止めにします。
同梱カードやQRコードの印刷は、この3通が回り始めてからで十分です。先に印刷物を作ると、文面を直したいときに在庫が足かせになります。そして月に一度、集まった件数と内容に目を通し、繰り返し書かれている点を商品ページの説明文に反映してください。レビューを集める本当の価値は、件数そのものよりも、購入者が何を不安に思い、何に満足したかが自分の言葉で残ることにあります。
まとめ——タイミングは商材で決め、特典は内容に関与しない
レビューが集まらないときに見直すべきなのは、依頼しているかどうかではなく、送るタイミングと文面、そして特典の設計です。到着直後ではなく商材ごとの日数で送り、文面は4要素に絞り、特典の条件は「投稿したこと」までに留める。低い評価は消さずに返信で受け止める。この4点を押さえておけば、少人数体制でも無理なく件数を積み上げられます。
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- Q. レビュー依頼のメールはいつ送るのがよいですか?
- A. 一般的な目安は商品到着から2〜3日後ですが、これは「ひと通り使い終わるまで」の代理指標です。化粧品や食品などの消耗品は7〜14日以内、家電・家具などの耐久財は2〜3週間後、季節商品は3〜7日以内、といったように自社の商材が評価できる状態になるまでの日数で調整してください。返信がなければ1週間後に一度だけリマインドし、それ以上は送らないのが無難です。
- Q. レビューを書いてくれた人にクーポンやポイントを渡してもいいですか?
- A. 投稿したことだけを条件とし、内容に指示をしていなければ、消費者庁のQ&Aでも通常は「事業者の表示」に当たらないと整理されています。評価の高低で特典の有無や中身を変えないこと、文面を指定しないことが条件です。なお、購入者全員に配る特典には景品表示法の景品規制の上限もあるため、高額なプレゼントを企画する場合は別途確認してください。モール出店中は各プラットフォームの規約も確認が必要です。
- Q. 「星5つでお願いします」と書くのはなぜ避けるべきですか?
- A. 評価の内容を条件にすると、事業者が表示の内容を決定していることになり、そのレビューは「事業者の表示」に当たるとされています。この場合、事業者の広告であることを明瞭に示す必要が生じ、口コミとしての信頼性も失われます。依頼するのは投稿そのものまでにとどめ、評価は購入者の判断に委ねてください。
- Q. 低い評価のレビューは削除してもいいですか?
- A. 星5つばかりが並ぶレビュー欄は読む側から不自然に見えるため、原則として削除せず、事実の確認・対応の提示・改善の共有という順で返信を残すことをおすすめします。返信を読むのは投稿した本人よりも、これから購入を検討する第三者です。事実無根の内容や誹謗中傷については、各プラットフォームの削除申請フローを確認してください。
- Q. レビューは何件くらい集まれば効果がありますか?
- A. 商材や価格帯によって変わるため一律の基準はありませんが、まずは全商品に均等に集めようとせず、主力商品を数点に絞って1商品あたり5〜10件を当面の目安に置くと運用しやすくなります。件数が0件の商品ページと数件でもある商品ページでは、購入前の不安の残り方が大きく違います。
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