公開日: 2026.04.30 / 最終更新日: 2026.04.30

Shopify B2Bが通常プランに開放|中小卸の選択肢【2026年】

2026年、Shopify PlusのB2B機能が通常プランに開放されました。中小卸の経営者が「今なら何ができて、何は依然できないのか」を判断するための整理と、発注前に決めるべき論点を解説します。

Shopify Plus専用だったB2B機能が通常プランへ開放されたことを示す図

結論から書きます。2026年、Shopifyは会社アカウント・得意先別価格表・掛け払い・数量ルールといったB2B機能を、Shopify Plus専用から通常プランへ開放しました。従来この機能群を使うには月2,500ドル規模のPlus契約が前提で、中小の卸売業にとっては現実的な選択肢ではありませんでした。この壁が下がったことで、年商数億〜数十億規模の卸にとってB2B EC化の初期投資は一段軽くなっています。

判断基準もあわせて言い切ります。得意先別の価格・掛け払い・最低ロットを「アプリの寄せ集め」でなく標準機能で組めるかどうか。ここが通常プラン開放の本質的な意味であり、これまで様子見をしていた卸売業が再検討すべき理由です。ただし後述するとおり、日本のB2B商習慣のすべてが標準機能で埋まるわけではありません。

何が通常プランで使えるようになったのか

開放されたのは、法人取引の骨格をなす機能群です。得意先を「会社」として登録し、その会社に紐づく担当者・支払い条件・価格表を管理できます。BtoC向けの顧客管理に法人の階層を後付けする必要がなくなりました。

  • 会社アカウント: 得意先企業と複数担当者をひとつの取引単位として管理
  • 価格表(カタログ): 得意先ごと・グループごとに異なる卸価格を提示
  • 掛け払い・支払期日: 注文時に決済せず、後払い条件を設定
  • 数量ルール: 最低ロット・ケース単位・数量刻みの発注制御

これらは2026年より前の記事では「Plusでないと使えない」と書かれていた領域です。情報収集の際は、記事の公開時期を必ず確認してください。1年前の比較記事を根拠に「うちの規模ではShopifyのB2Bは無理」と結論づけるのは、現在では誤りになり得ます。

それでも標準機能では埋まらない日本の商習慣

一方で、開放されたのはあくまでグローバル標準のB2B機能です。日本の卸売の現場で当たり前になっている商習慣には、標準機能だけでは届かない部分が残ります。

  • 掛率での価格管理: 「定価の65掛け」のような掛率ベースの価格体系は、価格表への変換設計が必要
  • 締め請求: 月末締め翌月末払いの合算請求書発行は、標準では完結せずアプリや外部サービスで補う
  • 与信管理: 取引先ごとの与信枠・限度額管理は掛け払いサービスとの連携が実務的
  • 帳票: 日本式の納品書・請求書・受領書のフォーマットはカスタマイズ前提

つまり「通常プランで安く始められる」ことと「追加コストゼロで日本の商流がそのまま載る」ことは別の話です。ここを混同したまま発注すると、見積もり段階で想定外の追加費用に驚くことになります。

通常プランで足りるケースとShopify Plusが必要なケースの比較表
通常プランで足りる卸と、依然Plusを検討すべき卸の分岐

通常プランで足りる卸、Plusを検討すべき卸

では自社はどちらなのか。発注側の意思決定として、次の分岐で考えると整理しやすくなります。

  • 通常プランで足りる: 得意先数が数百社まで/価格パターンが数種類〜十数種類/まずEC受注の比率を上げることが目的
  • Plusを検討: 得意先別カスタマイズが深い/複数ストア・海外展開がある/チェックアウト自体の改修や大量のAPI処理が必要
  • どちらでも埋まらない: 締め請求・与信・基幹連携は、プランでなくアプリ・外部サービス・カスタム開発の設計問題

重要なのは、プラン選定は論点の3割程度でしかないことです。残りの7割は「どの得意先から載せるか」「掛け払いと締め請求をどう処理するか」「基幹システムと受注データをどうつなぐか」という運用設計にあります。

発注前に社内で決めておくべき3点

開発会社に相談する前に、次の3点だけは社内で仮決めしておくことを勧めます。ここが白紙のまま見積もりを取ると、金額の幅が大きくなりすぎて比較になりません。

  • 価格体系の棚卸し: 得意先別価格が実際に何パターンあるか(感覚でなく販売データで数える)
  • 対象取引の範囲: 全得意先を対象にするのか、まず定番品の再注文だけをECに載せるのか
  • 請求の扱い: EC側で請求まで完結させるか、請求は従来どおり基幹側で行いECは受注だけにするか

awaiでは、Shopify B2Bの構築だけでなく、FAX・電話受注のAI自動化や基幹システムとの連携まで含めた受発注DX(awai Core)を支援しています。通常プラン開放で自社の選択肢がどう変わったのかを整理したい段階でも、診断からの相談が可能です。

より詳しくはShopify B2Bサイトの構築手順を、隣接するテーマはB2B ECの再注文設計をご参照ください。

30分の無料相談を予約する2026年のShopify B2B開放が自社に何をもたらすか、価格体系と商流を伺いながら通常プランで足りるかどうかを一緒に仕分けします。

よくある質問

Q. 通常プランで具体的に何ができますか?
A. 会社アカウント、得意先別価格表、掛け払い、数量ルールなどB2Bの骨格機能が使えます。以前はShopify Plus専用でした。
Q. それでもShopify Plusが必要なケースは?
A. 得意先別カスタマイズが深い、複数ストア・海外展開、チェックアウト改修や大量のAPI処理が必要な場合はPlusを検討します。
Q. 締め請求や掛率は標準機能で対応できますか?
A. 標準だけでは完結しません。掛率の価格表変換や締め請求はアプリやカスタム、外部サービスで補うのが実務です。

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