公開日: 2026.07.14 / 最終更新日: 2026.07.14

LangChainとは|できることと導入判断の考え方・費用の目安

LangChainとは、生成AIアプリケーション開発の代表的なフレームワークです。何ができるのか、AIエージェントとの関係、自社導入で何を判断すべきかを整理しました。

LangChain・AIエージェント・MCPサーバーの関係性を表したイメージ図

そもそもLangChainとは何か

LangChain(ラングチェーン)とは、生成AI(LLM=大規模言語モデル。文章を人のように理解して処理できる生成AIの中核技術)を使ったアプリケーションを開発するための、オープンソースの開発フレームワーク(アプリケーションの土台となる部品や仕組みをあらかじめ用意したソフトウェア)です。LangChain自体は完成したアプリケーションやサービスではなく、開発者がLLMを使ったシステムを作る際に使う"部品箱"のような位置づけにあります。

AIエージェントの全体像についてはAIエージェントとは|できることと業務活用の始め方・費用の目安で詳しく整理していますが、LangChainは、そうしたAIエージェントや、LLMを使った業務アプリケーションを開発する際によく使われる代表的なフレームワークの一つです。似た役割を持つフレームワークは他にも複数存在しますが、本記事ではLangChain固有の機能や位置づけを中心に、非エンジニアの方にも分かる形で整理します。

LangChainで何ができるのか

LangChainが提供する主な機能を、実務的な言葉で整理すると次のとおりです。

  • 複数のLLM呼び出しをつなげる:ひとつの指示に対してLLMを1回呼び出すだけでなく、「情報を要約する→その要約をもとに回答案を作る」といった複数の処理を連続してつなげる仕組みを提供します。
  • 外部ツール・データとの連携:社内システムやデータベース、検索エンジンなどの外部ツールをLLMから呼び出せるようにする仕組みを提供します(外部システムとの接続そのものの標準規格については後述のMCPサーバーの項で扱います)。
  • 会話や処理の履歴を記憶する:一度きりのやり取りで終わらせず、これまでのやり取りの文脈を踏まえて次の処理を行うための仕組み(メモリ)を提供します。
  • 定型的な処理パターンをテンプレート化する:LLMへの指示の組み立て方や、複数ステップの処理の流れなど、開発でよく使うパターンをあらかじめ用意しています。

これらはいずれも、LLMを使ったアプリケーションをゼロから作る際に、開発者が繰り返し必要とする部品を先回りして用意しているという性質のものです。

LangChainとAIエージェントの関係

AIエージェントは、目的に対して自分で判断し、複数の工程を自律的に実行するAIの仕組みそのものを指す言葉です。一方でLangChainは、そうしたAIエージェントを開発する際に使われる代表的な開発基盤(フレームワーク)のひとつという関係にあります。

つまり、「AIエージェントを作りたい」という目的に対して、LangChainは開発を効率化するための選択肢の一つであり、これを使わなくてもAIエージェントは作れます。開発会社によっては、案件の要件に応じてLangChain以外のフレームワークを選んだり、フレームワークを使わずに独自に構築したりする場合もあります。どのフレームワークを使うべきかという技術選定は、対象業務の要件・連携するシステム・開発チームの知見によって変わるため、依頼先の開発会社の技術的な判断に委ねるのが実務的です。

LangChainとMCPサーバーの関係

MCPサーバーは、AIと社内システムやデータを安全につなぐための共通の差し込み口(接続規格)です。LangChainがLLMを使ったアプリケーション開発の"部品箱"であるのに対し、MCPはAIと外部システムをつなぐ"接続口"の標準化という、異なるレイヤーの役割を担っています。実務では、LangChainで組み立てたアプリケーションが、MCPを介して社内システムに接続するといった形で、両者を組み合わせて使うケースもあります。

自社導入で判断すべきこと

LangChainという名称を目にして「自社にLangChainを導入すべきか」という発想で検討を始めると、判断の軸を誤りやすくなります。LangChainはあくまで開発フレームワークであり、自社の業務担当者が直接操作する完成品ではありません。検討すべきなのは「LangChainを使うかどうか」ではなく、次の点です。

  • 自社のどの業務を、AIエージェントやLLMを使ったアプリケーションで効率化したいのか
  • その開発を自社の技術チームで内製するのか、外部の開発会社に委託するのか
  • 委託する場合、その開発会社がどのような技術選定の考え方を持っているか

フレームワークの選定自体は開発を担う側の技術的な判断領域であり、発注側が事前にLangChainを指定する必要は基本的にありません。むしろ「どのフレームワークを使うか」よりも「対象業務にどう向き合うか」を明確にすることの方が、導入の成否を左右します。

陥りやすい誤解

LangChainの検討でよく見られる誤解を整理します。

①LangChain自体が業務アプリケーションだと思ってしまう——LangChainは開発の土台となる部品であり、そのまま業務に使えるサービスではありません。実際に使える形にするには、対象業務に合わせた設計・実装が別途必要です。

②フレームワークを導入すれば自動的に精度が上がると考えてしまう——フレームワークが提供するのはあくまで開発の効率化であり、AIエージェントの判断精度や実行結果の品質は、対象業務の設計・データの整備状況によって大きく変わります。

③LangChainを使えば開発が速く安くなると単純に考えてしまう——フレームワークを使うことで開発工数が短縮できる場面はありますが、対象業務の複雑さやシステム連携の数によって、開発期間・費用は変わります。

依頼する場合の進め方

LangChainを含むフレームワークの技術選定は開発会社に委ねるとしても、発注側が事前に整理しておくべきことはあります。awaiでご案内している一般的な進め方は次のとおりです(相場感の参考としてご覧ください)。

①診断では、対象業務の手順・判断基準・連携したい社内システムを洗い出し、AIエージェントやLLMアプリケーションとしてどこまで任せられそうかを見立てます。この段階で、LangChainを使うかどうかを含めた技術選定の方向性も整理します。

②実装では、診断内容をもとに開発を進めます。フレームワークの選定・組み合わせは開発側の技術判断で行い、発注側は対象業務の要件・判断基準のすり合わせに集中します。

③運用では、業務の変化や新しい例外パターンに応じて、判断ルールや連携先のシステムを継続的に見直します。

LangChain・AIエージェント・MCPサーバーの関係性を示した図。LangChainは開発フレームワーク(部品箱)、AIエージェントは実行される仕組み、MCPサーバーは外部システムとの接続規格という3層の関係を図解したもの
LangChain(開発の部品箱)・AIエージェント(実行される仕組み)・MCPサーバー(接続規格)の3層の関係

費用の目安

費用は対象業務の複雑さや連携するシステムの数によって変わりますが、awaiがご案内している一般的な水準は次のとおりです(相場感の参考としてご覧ください)。

  • 初期診断・設計:20〜30万円(対象業務の手順整理・技術選定の方向性整理・ROI試算)
  • 実装:50〜200万円(対象業務の範囲・連携システムの複雑さによる)
  • 保守・運用:5〜15万円/月(継続的な見直し・連携システムの追加対応)

awaiでは、この初期診断を営業の入口として設計しています。有償の診断で「どの業務を、どういう形でAIエージェント化・LLMアプリケーション化できるか」を先に見立て、実装をご発注いただいた場合は診断費を全額実装費に充当します。

まとめ——LangChainは目的ではなく手段

LangChainは、LLMを使ったアプリケーションやAIエージェントを開発するための代表的な開発フレームワークであり、それ自体が業務課題を解決する完成品ではありません。自社で導入を検討する際に大切なのは、「LangChainを使うかどうか」ではなく、「どの業務を、どのような形でAI活用したいか」を明確にすることです。

フレームワークの選定や技術的な組み合わせは、依頼先の開発会社の判断領域として任せ、発注側は対象業務の整理に集中するのが実務的な進め方です。AIエージェントの全体像についてはAIエージェントとは|できることと業務活用の始め方・費用の目安、外部システムとの接続規格についてはMCPサーバーとは?業務システムをAIに繋ぐ仕組みと開発の選び方でそれぞれ整理していますので、あわせてご覧ください。

※本記事の費用は市場の一般的な目安であり、対象業務の範囲・複雑さによって変動します。正確なお見積りは診断にて算出します。

LangChainやAIエージェント導入に関するよくあるご質問はよくあるご質問でも回答しています。

LangChainを使うべきか、30分の無料相談で一緒に整理します対象にしたい業務の手順・判断基準・連携したいシステムをお聞きし、AIエージェント化・LLMアプリケーション化に向いているかどうかの見立てと、技術選定の考え方をその場で整理します。しつこい営業は行いません。

よくある質問

Q. LangChainは無料で使えますか?
A. オープンソースのフレームワークとして公開されており、フレームワーク自体の利用に費用はかかりません。ただし、LangChainを使ってLLMを呼び出す際にはLLM提供元のAPI利用料が別途発生するほか、対象業務に合わせた設計・実装・運用には開発費用がかかります。
Q. LangChainとAIエージェントは同じものですか?
A. 異なります。AIエージェントは目的に対して自律的に判断・実行するAIの仕組みそのものを指し、LangChainはそうしたAIエージェントを開発する際によく使われる開発フレームワークのひとつです。詳しくは[AIエージェントとは](/blog/75)で整理しています。
Q. 自社にどのフレームワークが向いているか教えてもらえますか?
A. はい。対象業務の要件やシステム連携の状況をお伺いしたうえで、開発を担当するチームが技術的な観点から適したフレームワークの方向性をご提案します。発注側でLangChainを指定いただく必要は基本的にありません。
Q. LangChainを使った開発費用はどのくらいかかりますか?
A. awaiの場合、実装の前に対象業務の手順整理・技術選定の方向性整理・ROI試算を行う初期診断を20〜30万円でご用意しており、実装をご発注いただいた際は診断費を全額実装費に充当します。実装費は対象業務の範囲や連携システムの複雑さによって変わるため、まずは無料相談で概算感をお伝えします。

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